特集

2011年4月5日火曜日

万が一の時、放射能雲から身を守る2

食と健康、というよりは、万が一の時にどう身を守るかというお話。続きです。

前回、3月15日の放射線量増加を例に、(その危機は去りつつあると信じていますが)何らかの爆発など万が一の際には、風向などを見ながら、屋内に避難して放射能雲が去るのを待つのがよいのではないか、ということを書きました。すでにドイツやオーストリア、ノルウェーなど欧州各国の気象庁・研究所が、かなり早い段階から放射性物質拡散の「予報」(というかシミュレーション)を公開していることを知って愕然としました。

こちらが、東京都の公開データを元にグラフにした実測値。






こちらがオーストリア気象地球力学中央研究所が3月14日の時点で公開していた放射性ヨウ素拡散の予想図

放射性ヨウ素拡散の予想図(3月14日公開)
http://www.zamg.ac.at/pict/aktuell/fuku_I-131.gif

時間はUTC(世界標準時→日本は9時間進んでいる)です。風向の変化と共に放射能雲の帯が関東地方に接近する様子がわかります。蛇行した帯が一旦東京上空を通過した後に再び通る様子が分かり、実際のグラフの2つの山がうまく説明できます。実測と比べると時間には多少のズレがありますが、傾向としてはかなり当たっていたのではないかと思います。いざという時に、家族や自分の身を守るには海外の情報にも目を向けておく必要がありそうです。もちろん、3月15日に東京で実際に観測された放射線量(1時間平均では0.5μSv/h程度)は健康に影響を与えるものではありません。万が一の時の備えということです(オーストリア気象地球力学中央研究所などのリンクは下記の通り)。念のため。


参考資料:
オーストリア気象地球力学中央研究所(Central Institute for Meteorology and Geodynamics, Austria)
http://www.zamg.ac.at/
→「Neue Informationen」にて新着情報がみられます(ドイツ語ですが「Aktuelle Lage nach Unfall in Fukushima (Update: 5. April 2011 12:00)」を開いて左下の「Download」をクリックすれば最新のシミュレーション結果がGIFアニメで閲覧できます。)

ドイツ気象庁
http://www.dwd.de/
→トップページ下方に拡散の予報(シミュレーション)が掲載されています。

どちらのシミュレーションも限られた情報(放射性物質の放出量)の中での計算なので、あくまで目安に過ぎませんし、元の放出量が少なければ、到達する放射性物質の量も激減するので、過度に心配する必要はありません。しかし、3月15日や21日の上昇を見事に言い当てていますので、万が一の時には参考になると思います。

東京都・健康安全研究センター・都内の環境放射線測定結果
http://ftp.jaist.ac.jp/pub/emergency/monitoring.tokyo-eiken.go.jp/monitoring/
→ グラフはこちらの資料を元につくりました。

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