特集

2011年8月7日日曜日

簡単塩鱈の作り方(レシピ)

地中海料理で頻繁に登場するのが塩鱈(干しダラ)です。バッカラ(Baccalà, イタリア)、バラカオ(Bacalao, スペイン)、バカリャウ(Bacalhau, ポルトガル)等と呼ばれ、フリットから煮込みまで様々な料理に使われています。特にポルトガルは多種多様な塩鱈料理があります。
欧州の干しダラ(塩ダラ)は、塩漬けにされた厚い身の塩漬けであるのに対して、日本で売られている干しダラ、身が薄く、何度か試してみましたが、今ひとつ異なる味になってしまうようです。むしろ生ダラで作ったほうがおいしくできる印象があるのですが、味がおとなしい上に、冷凍して保管するとタラの身がポソポソになってしまい今ひとつでした。試行錯誤の末で「なんちゃって」な方法で塩鱈をつくるとより美味しくなる上に、冷凍保存した時も劣化なしに楽しめることがわかったので紹介します。


・生ダラの切り身を用意する。

  スーパーで買ってきた典型的な生ダラのパックです。皮はついていてもいなくても構いません。




・多めの塩をまぶして、冷蔵庫で数時間(~一晩)保管する。

  写真は極端ですが(笑)、多めの塩をまぶしておきます。




・出た汁気を捨て、水洗いする。

  塩水をよく洗い流しておくとよいです。写真は洗った後の様子です。こんな感じに身が締まり、半透明な感じになります。ちなみに塩を落とさずに冷凍したら、恐ろしいほど塩辛い物体へと変化してしまいました。




・(冷凍する場合)ビニール袋のパックに入れて冷凍保存する

  1ヶ月位は大丈夫だと思います。




使うときはかならず数時間以上水につけて塩抜きをしてください。でないと、恐ろしく塩辛いです。場合によっては塩抜き後、茹でこぼしをしてもよいです。一見すると面倒な操作ですが、塩漬けにすると、旨味が引き出されて美味しくなる上に、高い塩分濃度のおかげで凝固点降下がおこり氷晶ができにくくなります(味噌が凍らないのと同じ)。このために身がボロボロにならずにしっとりとした食感が楽しめるのです。とてもオススメです(はじめから甘塩鱈のパックを買うという手もありますが…)。


塩鱈を使ったレシピはポルトガル料理が充実していますが、タラのコロッケやグラタンがおいしいです。

タラのコロッケ



タラのグラタン



トマト煮込みなどスペインやイタリア、ギリシャにも塩鱈を使った様々な料理があります。


<補足>
福島原発の事故による魚介類の放射能汚染が心配されています。海産物に関して言えば、原発周辺以外では問題のある値は出ていないようですが、気になる方には、今回のような「塩漬け→塩抜き」(+茹でこぼし)の操作がオススメです。放射性セシウムは、体内にある電解質カリウムと似た性質があるため、「塩漬け→塩抜き」によって多くを取り除くことができるためです。ただし、塩抜きをしっかりとし、塩分のとりすぎにはくれぐれも気をつけてください。健康に良いとされる味噌・醤油も含めて、塩分のとりすぎは、高血圧や胃がん等の原因となることがわかっているためです。塩鱈は塩抜きしても適度な塩分を含んでいますから、調理の際に塩を加えないようにするといいと思います。うちでは北海道・青森・岩手で水揚げされたマダラを使っていますが、下記の調査結果の通り、原発周辺の海域以外では放射性セシウムはほとんど検出されていません(多くても、健康に全く問題ないと考えられる数Bq/Kg程度)。うちでの「なんちゃって」塩鱈製作の目的は、味の為です。

水産庁・水産物の放射性物質の調査結果について(8月4日更新)
http://www.jfa.maff.go.jp/j/kakou/Q_A/pdf/110804_kekka_jp.pdf

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