2010年7月13日火曜日

モロッコ料理とは

今回はモロッコ料理の紹介です。

モロッコは、ジブラルタル海峡を挟んでイベリア半島の南、北アフリカにあります(国旗と地図はwikimediaからのリンク)。思い切りサハラ砂漠に接しているので南国イメージが強いですが、実は日本の南半分(東京以南)くらいの緯度にあります。オリーブオイルも使いますが、フランス統治の影響かバターも使います。スペイン・ポルトガルなどの地中海(西側)の食文化と重なり合うところも多いですが、当然ながらトルコやアラブなどイスラム文化圏の影響も強いです。オリジナリティもかなり強くて、タジンという鍋を使った煮込み料理が代表的です。いろいろ作ってみた感想ですが、モロッコ料理には以下の様な特徴があります。

・イスラムの食文化を基本にしつつも、スペイン・フランスの影響も。
豚肉は食べず、羊肉や鶏肉が基本であるなど、基本的にはイスラムの食文化が基本です。スパイスを多用した肉の串焼きや肉団子のようにトルコ、アラブの食文化の影響が強いながらも、隣国、旧宗主国であるスペイン、フランスの食文化にも相互に影響を与えています。

・ハーブ類としてはパセリ、コリアンダー、レモンを多く使う。
他の国の料理同様に、パセリ、コリアンダー、レモンなどを、料理の仕上げに使われることもありますが、煮込み料理に入れることがあるのも特徴です。この辺りの食材とクミン、カイエンペッパー、パプリカなどのスパイスを混ぜて作るチャルモラソースは、モロッコ料理の基本ソース(串焼きなどに使われる)の一つです。塩漬けにしたレモンの皮もつかわれます。



・沢山の種類のスパイスを使う
クミン、カイエンペッパーなど力強いスパイスも多く使います。なかでもRas el Hanoutというミックススパイスは、クローブ、唐辛子粉、オールスパイス、クミン、ジンジャー、ターメリック、黒胡椒、カルダモン、シナモン、コリアンダー粉、ナツメグ・・・といった具合にありとあらゆるスパイスを調合して作られています。シナモン、ジンジャーなど甘い香りを引き出すスパイスを多く使うのも特徴です。

・やっぱりタジン(煮込み)!
最近、日本で注目されているタジン料理の本場です。水が少ない地方なので、水を逃がさないように蓋をしてとろ火で調理します。肉と野菜(、豆)ですが、いろいろな組み合わせがあります。煮込みでは、スパイスはターメリック、シナモン、ジンジャーなどが多いようです。日本のガスコンロのように火力が強い場合、水を足さずに長時間に込むと焦げますし、どんなに火力を落としても吹きこぼれます(少なくともうちでは)。本格的に煮込みたい場合は、穴のついたタジン鍋を使ったほうがいいかもしれません。うちではレシピ本で~1時間半位の煮込みは、30分~40分位で仕上げています。



・フルーツと肉の競演!
モロッコ料理の醍醐味である煮込みですが、肉とフルーツ(アンズ、りんごなど)の煮込みといった、スパイスは効いているけれど、甘い煮込みがユニークです。デーツ(なつめやし)やプルーンなどドライフルーツと肉の組み合わせもあります。煮込みの終盤には蜂蜜を入れるレシピもあります。甘い肉なんて、、、って思うかもしれませんが、とてもおいしかったです。お酒がなくても食が進むところは、さすがイスラムの食文化なんだなあ、と感じます。



・フルーツ(柑橘類)のサラダも充実!
オレンジやレモンなど柑橘類が多い地方なので、これら柑橘類も料理によく使われます。料理に添えられるばかりでなく、煮込みに入れられたり(特にレモン)、ソースになったりいろいろですが、フルーツがメインのサラダも沢山あります。オレンジのサラダ一つとっても、組み合わせの相手は玉葱、ニンジン、赤蕪・・・と豊富ですし、レモンの果肉が主体のサラダもあったりします。



・魚介料理も多い!
モロッコは大西洋・地中海に面した沿岸国です。白身魚、イワシ、マグロ(カツオ)、エビなどいろいろ食べられていますが、チャルモラソースをかけて焼いたマグロや、スパイシーなエビの炒め物は絶品です。

・メインに添えられる米とクスクス
お米を食べるときには、サフランライスとしてメイン料理に添えられることが多いようです。お米と同じような立ち位置にあるのがクスクスです。クスクスとは、小さな粒粒のパスタで、煮込み料理のスープを吸うので、おいしく食べられます。

・ソフトドリンクが充実
イスラム圏なのでアルコール(カロリーが高い)を飲まないせいか、甘いものが多いのも特徴です。オレンジフラワーウォーター(香料)で味付けしたジュースやアーモンド飲料、ミントティーなど様々なソフトドリンクが充実しています。ちなみに、モロッコはフランスの保護領だった時代もあった影響でワインの生産(輸出・欧米観光客向け)は行われています。

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