2010年7月22日木曜日

ニンニクスープ、ピストマンチェゴ、キノコとベーコンの炒め物

7月21日の晩御飯。スペイン料理です。

・ニンニクスープ
 
スペイン料理定番の簡単メニュー。ニンニクとベーコンを炒めたところに、余りパン(うちでは食べきれずに冷凍したフランスパン)をいれ、スープ、パプリカ(粉)を入れて煮込んだ後に、卵を混ぜています。シンプル・超低コストですが、信じられないくらいおいしいです。



・ピストマンチェゴ
 
夏野菜の炒め物。ベーコンを入れるレシピで作りました。週末に使ったカボチャの残りの救出が目的の一皿ですが、とてもおいしいです。今回は生のトマトに加えて、サルチャ(濃縮トマトペースト)を少し加えました。





・キノコとベーコンの炒め物
 
頻繁に食べている一皿です。冷蔵庫の奥底に可哀想なことになりかけていたマッシュルーム2個を発見して救出。数が少ないので姿焼きにはせずにスライスしたものを炒めるレシピです。



この他に、ルッコラとオリーブのシンプルなグリーンサラダも食べました。




参考レシピ:
おおつきちひろ「スペインの熱い食卓」(文化出版局)1995
 →ニンニクスープ
おおつきちひろ「タパス」(文化出版局)1997
 →ピストマンチェゴ、キノコとベーコンの炒め物

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ガスパッチョ、イカのフリット、インゲンのフリット、イワシのマリネ

7月19日、連休最終日の晩御飯です。スペイン料理・前菜編です。

・ガスパッチョ
 
この前はバスク風でしたが、今度は別レシピです。普段使っているレシピとも違って、少し砂糖が入ります。トマト、赤ピーマン、ニンニクをベースに、少々のパン粉を加えて作ります。キュウリはトッピングにだけ使うレシピなので、スープ自体はきれいな色になりました。このレシピもおいしいです。ガスパッチョ自体はよく作りますが、このレシピは初出。



・イカのフリット、インゲンのフリット
 
前日、卵黄を使ったので、残りの卵白を衣に使いました。天ぷらの衣にそっくりな衣に、メレンゲをまとわりつかせて揚げます。ふわっとした衣になってとてもおいしいです。でも、揚げ油をかなり吸ってしまうので、カロリー的には少し危ないかも・・・。



・イワシのマリネ
 
昨日のうちに仕込んでおいたスペイン風のイワシのマリネです。シンプルなレシピですが、これもおいしいです。



参考レシピ:
Vicky Harris and John Newton, The food of spain. Whitecap (2008)
 →ガスパッチョ
おおつきちひろ「スペインの熱い食卓」(文化出版局)1995
 →イカのフリット、イワシのマリネ
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イカスミのパエリア、帆立貝のガリシア風コキール

7月19日、連休最終日の晩御飯です。スペイン料理メイン編です。

・イカスミのパエリア
 
イカをさばいて、イカスミのパエリアに挑戦です(一部はフリットに)。イカスミも採取しましたが、1杯分では足りないので、市販のイカスミも混ぜました。イカスミソースではなく、イカスミ+塩だけのシンプルなものです。長期保存ができる上に、輸入食材店で比較的安価に入手できるので重宝しています。久しぶりのイカスミのパエリアですが、やっぱりおいしいです。



・帆立貝のガリシア風コキール
 
帆立貝のオーブン焼きです。パプリカを混ぜたトマトソースを加えて、ホタテの貝柱を焼き上げます。これまではシナモンを加えたレシピで作ることが多かったのですが、(同じ著者の)別のレシピ本に載っていたガリシア風のレシピで挑戦です(微妙に初出かも)。殻つきのホタテを買うとさらに雰囲気がでるのですが、今回は貝柱のみ。そんな訳で、先日、合羽橋の軒先で衝動買いしてしまったホタテ型のオーブン皿で作りました。ちなみにガリシアとは、スペインの北西部で、ポルトガルと接している地方です。



参考レシピ:
おおつきちひろ「スペインの熱い食卓」(文化出版局)1995
 →イカスミのパエリア
 (*)こちらにも帆立のコキールが載っていますが、シナモンを加えた別レシピ。こちらもおいしいです。
おおつきちひろ「タパス」(文化出版局)1997
 →帆立貝のガリシア風コキール

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2010年7月19日月曜日

ラングドック風いわしのマリネ、プロバンス風野菜のグラタン、アスパラガスのムースリーヌソース、カレイのマルセイユ風

7月18日の晩御飯。なんとなく敷居が高いと思っていて、ほとんど手付かずだったフランス料理に挑戦です(スペイン・フランスの境界にあたるバスク料理以外)。といっても同じく南仏(プロヴァンス、ラングドック)が中心なので、頻繁に作っているイタリア、スペイン料理とかなり共通点が多いです。

・ラングドック風いわしのマリネ
 
結構凝ったマリネです。炒めた野菜(ズッキーニ、マッシュルーム、玉葱)をイワシの上に載せ、ニンニク・唐辛子を炒めたオイルにスパイス(ローリエ、タイム、コリアンダーシード)を混ぜたものを振り掛けます。今回ははやくつけるために、塩漬け(冷蔵庫で20分程度)とし、ワインビネガーは薄めずに使いました。熱いものを上からかけるのでイワシは微妙に加熱されます。これまでのイワシのマリネとは違った食感で、とてもおいしかったです。



・プロヴァンス風野菜のグラタン
 
炒めた野菜をかっこよく?並べて、タイムとパルミジャーノチーズを振りかけて、オーブン焼きにします。スペイン料理としてかなり近いものを作ったことがあります。シンプルな構成ながらとてもおいしかったです。




・アスパラガスのムースリーヌソース
 
茹でて軽く炒めたアスパラガスに、卵黄・バター・レモン汁をあわ立てたソースを添えます。泡立ちに課題が残りますが、とてもおいしかったです。



・カレイのマルセイユ風
 
ニンニク、セロリ、玉葱、ピーマンたちを炒めた後に、白ワインを注ぎ、塩コショウを振ってソテーしたカレイを蒸し煮にするという料理です。しばしば作る範疇のものではありますが、とてもおいしかったです。本当はスターアニスの香りをつけるようです。



カレイ、とってもおいしかったですが、この形の魚をさばくのは慣れていないので、皮を剥くのに少々難儀しました。もう少し練習しないと・・・。



本日のワイン:フランス・白(辛口、発泡)

スペイン国境に近い南仏・リムー(Limoux)のスパークリングワインです。試飲につられて半ば衝動買いしたワインですが、繊細な泡立ちで、とてもおいしかったです。




参考レシピ:
中野寿雄「美味しいフランス家庭料理」大泉書店(2007)

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冷麺

7月18日の昼ごはん。冷麺です。
上野の韓国食材店で買ってきた麺ですが、スープは自己流で頑張ってみました。

 

本来は牛(牛骨)などでスープを作ることが多いらしいのですが、手元にあった鶏肉でスープをとり、その鶏肉をさいて具にしました(ポルトガル流?)。そこへすりおろしたニンニクと、リンゴ酢をあわせてシンプルに仕上げました。本当は水キムチなどを混ぜるらしいです。さっぱりとした味になりましたが、なかなかおいしかったです。
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きゅうりライタ、ナッツピラフ

7月17日の晩御飯。連休中ですが、一部レトルト(インド)の簡単インド料理です。
明日はきちんとつくります。

・きゅうりライタ
 

インドのヨーグルトサラダです。輪切りのキュウリのほかに、ししとう、唐辛子(粉末)が入っています。よく食べる系統の味ですが、さっぱりしていておいしいです。



・ナッツピラフ
 

毎度おなじみのナッツピラフです。



ここまで作ったら、カレー本体も普通に作れたのではないかという話もあるのですが、今回はレトルトカレー、インド産のチャナマサラ(豆のカレー)です。。レトルト食品特有の匂いがあまり得意ではないのですが、こちらのシリーズはあまりレトルトっぽさを感じさせません。スパイスのおかげか、化学調味料が入っていないせいかもしれません。ということで、しばしばお世話になっています。




参考レシピ:
ミラ・メータ「はじめてのインド料理」文化出版局(1996)

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2010年7月17日土曜日

ギリシャ料理とは

今日はギリシャ料理の紹介です。

ギリシャは、地中海の東側、トルコ、アルバニア、ブルガリア、旧ユーゴスラビア(マケドニア)と国境を接しています(国旗と地図はwikimediaからのリンク)。実は、海を挟んで、イタリア南部とかなり近い位置関係にあります。古代、イタリア南部には、ギリシャからの殖民都市が数多く点在していて(現在のナポリなど主要都市はそれに由来)、食文化的にも共通項がかなりあります。ギリシャは、西欧文明の基盤であり、ローマ帝国を通じて、周辺諸国に様々な影響を及ぼしています(ローマ帝国も後半はギリシャ系国家であった)。さらに中世の一時期はオスマン帝国の支配下にあったことで、食文化的にはトルコとの共通点も数多く見られます。魚介(イカ・タコ含む)、オリーブオイルを多く使うのは、地中海周辺の料理の特徴は共通ですが、フェタなどの独自のチーズの多用や中東地域など東地中海の食文化と融合しているのが特徴です。

・イタリア料理との共通点も多いが、トルコ・中東料理との共通点も多い
西欧文明の基盤であると共に、中世から近世にかけてはオスマン帝国の一部だったため、相互の食文化に共通点があります。
例えば、野菜の肉米詰め、豆の煮込み、豆のペースト、ナスのペーストなどはトルコ・中東料理に近いものがありますし、魚介のパスタやオレガノを多用した香草焼きなどはイタリア南部料理に近いものがあります。その中でも、レモンやヨーグルトなど酸味が程よく利いた爽やかな料理がギリシャ料理の特徴です。

・ハーブ類としてはオレガノ、パセリ、ミント、ディル、レモン、ニンニクを多く使う。
レバノンなど他の東地中海料理同様にハーブ類が多く使われます。様々なサラダや具にパセリ・ミントが使われていますし、ディルを含めて様々な料理に添えられています。さらに魚介や肉の煮込みには、ディルやオレガノなどが使われています。レバノン料理同様に、様々な料理にレモン汁が加えられるほか、ギリシャ料理では、卵とレモン汁を合わせることで独特なソースが使われています(同じようにヨーグルトも多用されている)。もちろんニンニクも多用されます。


(鶏肉の米入り卵レモンスープ)

・控えめではあっても多様なスパイスを使う
ハーブ、レモン、オリーブオイルを調味に多用するのがギリシャ料理の特徴ですが、トルコや中東の影響で様々なスパイスが使われます。クミン、コリアンダーなどに加えて、アニスも使われます。

・ペースト(ディップ)系のサラダが名物
魚卵(タラコなど)を使ったペースト(タラモサラタ)、ヨーグルトと刻んだキュウリ・ミントのサラダ(ジャジキ)などはギリシャの前菜(メゼ)らしい一品です。他にもナスや豆を使った多様なディップ系のサラダが充実しています(トルコ・中東料理との共通点も)。


(ジャジキ:キュウリとヨーグルトのサラダ)

・薄焼きのパイ生地(フィロ)を使った料理
ギリシャ料理の特徴の一つである薄焼きのパイ生地です。これに肉や魚、ハーブなどを包んで焼き上げます。日本では、入手が難しい(というか私が知らないだけかもしれませんが)ので、うちでは春巻きの皮にオリーブオイルかバターを塗ったものを何枚か重ねて使っています。

(干し杏と鶏ひき肉のフィロパイ)

・フェタチーズを使った料理
ギリシャのPDO(EUに認定された特産品)であるフェタは、酸味の利いた白いチーズです。山羊や羊の乳で作られていて濃厚なヨーグルト、クリームチーズのような味、それを少し硬めにした感じです。サラダに載せて定番のギリシャ風サラダとして頻繁に食べられている他、様々な料理で使われています。他にも羊の硬質チーズ(グラビエラ)などギリシャ特産のチーズは料理に使われています。


(海老フェタ焼き )

・魚介を使った料理
エーゲ海の周辺や島々では、魚介を使った料理が沢山あります。ホウボウ(に近い魚)、タイなどの白身魚からイワシ、エビやタコ、イカなど様々な魚介類が食べられています。串焼き、煮込み(スープ)、蒸煮、オーブン焼き、包み焼きなど多用な食べ方であります。


(魚のプラキ)

・肉と米型パスタの煮込み(ユベチ)
鶏肉や羊肉をオーブンなどでトマト煮にし、そこへ米型のパスタ(オルゾー)を入れて、さらにオーブン焼きにして仕上げる料理です。かなり、がっつり系ですが、オレガノやニンニク、トマトが食欲を増進するので、おいしく食べられてしまいます。


(ラムのユベチ)

・肉と野菜の重ね焼き(ムサカ)
ギリシャ料理の定番の一つ。肉と野菜の重ね焼きです。トルコ料理の名物でもあるのですが、ギリシャのムサカにはベシャメルソース&チーズが載っています。そういう点ではラザニア(イタリア中部)のパスタ部分が野菜(ナス、ジャガイモなど)という料理です。


・ワインの他にも、アニス風味の蒸留酒も。
日本ではまだまだなじみの少ないギリシャワインですが、古代にさかのぼって長い歴史を持っています。ギリシャ料理にはやはりギリシャワインが合う気がします。なお、日本ではあまりみかけませんが、松脂の香りがついたレツィーナという白ワインが名物です。私もまだ未体験なので、なんともいえませんが、ハーブ酒のような感じでさっぱりしているらしいです。ギリシャにはワイン以外にも、ウゾという蒸留酒が好まれています(トルコのラクに近いもの)。ブランデーやグラッパのようにブドウベースの蒸留酒ですが、アニスなどのハーブで香りがついているのが特徴です。

きっかけは海辺の街

今から5年ほど前、スペイン・カタルーニャ州北部のコスタ・ブラバ(Costa Brava)という地方に行きました。

 


このときは、出張で1週間近くホテルに缶詰だったのですが、とても景色のいいところでした。
それまで海外出張というと、北米が多く、食事の面でも治安の面でも厳しいものが多かったのですが、その概念を崩してくれたのが、このスペイン出張でした(実はこのときが初ヨーロッパ)。

当時は、特に料理に興味があるわけでもなく、どちらかというと海外では和食が恋しくなるたちだったのですが(特に米国出張中)、このとき泊まったスペインのホテルでは、食事もワインもとてもおいしかったです(当時はワインは苦手な口でしたが、それでもおいしくいただけました)。ナスの天ぷらやイワシのから揚げなど和食を思わせるものが並んでいて、当時は「日本食もここまで進出しているのかあ」などと適当なことを思っていたのですが、帰国後、そっちがオリジナルである事を知って衝撃を受けたものでした。

さて、そのとき、印象的だったのは、アロス・コン・レッチェ、米のミルク煮です。お米がデザートになるということでまさに衝撃、量が多かったので、完食は大変でしたが、なかなかにおいしかったです。その味が忘れられず、いつか再現してみよう、、、と思っていたので、数年後、スペイン料理のレシピ集に出会ったときにはとてもうれしかったです。
(ブログではまだ紹介していませんが、何度か作っています)


料理にのめりこむきっかけ、とまではいえないかもしれないけど、一つの伏線となる旅でした。


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インゲンとピスタチオの炒め物

7月16日の晩御飯。簡単イタリア料理です。

・インゲンとピスタチオの炒め物
 
さっと茹でたインゲンとピスタチオを炒め合せた簡単メニューです。レシピ本ではオレンジの絞り汁を仕上げにかけるように書かれていましたが、手元にオレンジジュースがなかったので、冷蔵庫に常備しているレモン汁で代用しました。濃厚だけど(ピスタチオとオリーブオイル)爽やかでおいしかったです。



メインのパスタは、缶詰(輸入食材スーパーで超特売されていたイタリア・鴨のラグー198円!)のパスタソースで簡単に作りました。実は火曜に食べた残りなのですが、トマト分が薄めだったので、サルチャ(トルコの濃縮トマトペースト)を少々加えて味を調整しました。



それから、(よせばいいのに!?)先日つくった牛肉のインボルティーニを少し解凍して食べました。




参考レシピ:
石川みゆき「たった15分でイタリア家庭料理」(青春出版社)2007 

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2010年7月16日金曜日

ハロウミとインゲンのサラダ、ほうれん草ご飯、ラムチョップとレタスの煮込み

7月15日の晩御飯。ギリシャ料理です。平日ですが、2品の新メニューに挑戦しました。

・ハロウミとインゲンのサラダ
 
キプロスの名物ハロウミチーズのサラダです。焼くとおいしいチーズなのですが、今回は茹でたインゲンとあわせました。リンゴ酢とオリーブオイル、ニンニクからなるドレッシングもおいしかったです。今回初出。



・ほうれん草ご飯
 
うちでの定番、ほうれん草のご飯です。リゾットとほぼ同じ作り方ですが、チーズなどのマンテカーレはしません(レモン汁が入ります)。



・ラムチョップとレタスの煮込み
 
焼き目をつけた骨付きラム肉を葱などと煮込み、レタスを加えてさらに煮込み、仕上げにレモン卵ソースをかけた料理です。肉はやわらかく、酸味でさっぱりしていて、おいしかったです。今回初出。


参考レシピ:
Rena Salaman and Jan Cutler. The Illustrated Food and Cooking of Greece. Lorenz Books (2005)

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2010年7月14日水曜日

レバノン料理とは

今回は、一気に東地中海に飛んでレバノン料理の紹介です。

レバノンは、地中海の東側、イスラエルとシリアに接しています。地図をみればわかるとおり、キプロス島(ギリシャ系住民が多い)やトルコ本土からも比較的近い距離にあります(国旗と地図はwikimediaからのリンク)。古代はフェニキア人(→カルタゴなど地中海の交易)の故郷、後にローマ帝国の一部となり、中世はイスラム帝国、オスマン帝国の支配下、そして近代はフランスの委任統治領を経て独立、と様々な国の影響を受けてきました。中東では珍しく、キリスト教徒とイスラム教徒がほぼ同数(最近はイスラム教徒の比率が増えているらしい)、しかも多様な宗派があって宗教的に多様です。周辺が不安定な地域ということもあって、内戦などのニュースで登場することが多いですが、文明の交差点ということで食文化的には多様で、非常においしいです。日本ではレバノン料理店はまだ多くありませんが、野菜も多く、スパイスもおとなしめなレバノン料理は世界的にも人気のある料理の一つです。


・中東の食文化を基本にしつつも、ベジタリアンメニューが充実、パリでも人気。
中東地域全体の特徴ですが、オスマン帝国の一部だった時代も長いため、ドルマ(野菜の肉米詰め)などトルコ料理の影響も広がってます。フランスの委任統治領だったため、フランスへの移民も多く、レバノン料理店は欧米のあちこちに広がっています。ベジタリアンも満足できるメニューが豊富ということで、パリでも人気の料理の一つです。


(パリのあちこちにレバノン料理店や軽食屋がある)

・ハーブ類としてはパセリ、ミント、レモンを多く使う。
ご近所のペルシャ料理同様、ハーブ類は多く使われます。パセリのサラダ(ミントやレモン汁も入っている)がある位です。レモン汁も多く使われていて、大方のものにレモン汁が入っているか、レモンが添えられている印象です。だからとってもさっぱりしています(同じようにヨーグルトも)。

・中東の中でスパイスは控えめ。
シナモン、ジンジャー、クローブ、ナツメグ、オールスパイスあたりが多く使われます。生のニンニクはいろいろな場面で使われます。スパイスとは少し違いますが、ゴマを多く使われているのが特徴です。

・ペースト(ディップ)が名物
メゼと呼ばれる前菜では、ヒヨコマメやナス、クリームチーズのペーストなどが好まれています(トルコ・中東料理の基本ですが)。ゴマのペースト、ニンニク、レモン汁を混ぜて作られるタヒーニソースは、レバノンの基本ソースの一つで、各種ペーストにも混ぜ込まれています。

(ヒヨコマメのペースト:フムス)

・多様な野菜料理
豆やナスのペースト、豆のコロッケ、パセリのサラダといった具合に野菜料理が充実しているのが特徴です。豆のコロッケ(ファラフェル)はレバノン料理の代表です。これら料理をめぐって、イスラエルと起源の争いをしていますが、隣接地域なので線引きは難しそうです。とにかく、世界一のフムスを目指す戦いやファラフェル大量製作大会など、熾烈な争い(イスラエル vs レバノン )が繰り広げられています。緊張関係にある両国ですが、これは平和的な「戦い」です・・・。


(ファラフェル(豆のコロッケ)とタヒーニソース(ゴマベースのソース))

・パセリのサラダ!
タブーリはレバノンのサラダの代表で、中東で広く親しまれています。
パセリ、ミント、葱、トマト、ブルグール小麦(またはクスクス)をスパイス、オリーブオイル、レモン汁などで調味します。パセリを大量に食べるなんて!?と思われるかもしれませんが、食べてみると意外や意外、とてもおいしいです。健康によさそうな気もします…。



・多様なブルグール小麦(挽き割り小麦)の使い方
挽き割り小麦を蒸して乾燥させたのがブルグールです。ギリシャから中東にかけての東地中海地方では、お米のようにして使われています。レバノンでも、ピラフとして食べる以外に、パセリのサラダ(タブーリ)に混ぜたり、ミンチの肉(または魚肉)に混ぜたもの(キビ)は、レバノンの代表的な郷土料理です。

・米に豆やパスタを混ぜて炊くことも!野菜の肉米詰め(ミハシ)も。
様々なピラフがあります。中東全体でよく見られる料理ですが、米とパスタ(極細)をいためて炊き込んだり、豆を入れて炊き込んだりするピラフが代表的です。魚を煮込んだスープでピラフを炊くような料理もあります。肉と米を混ぜたものを、ズッキーニやトマトなどの野菜に詰めて煮込む料理もあります。ミハシと呼ばれますが、トルコのドルマの親戚です。メジャーなトマトソースのほかに、レバノンではヨーグルトソースなどで煮込まれることもあります。

・ワインの名産地でもある。
中東らしいシロップ系(ローズウォーターなどでにおい付け)の飲み物も充実していますが、キリスト教徒も数多く居住する国なので、ワインも盛んに作られています。気候的にも向いているようです。品種的には、フランスの影響が強い印象です。