2~4人前 青背の魚・刺身用(イワシ類、サンマ、アジなど) 2匹~4匹 ニンニク 半かけ~1かけ イタリアンパセリ(オレガノでも可)みじん切り大さじ1杯 塩 大量 白ワインビネガー (魚の身が浸るくらい) レモン汁 (白ワインビネガー:レモン汁=2:1程度で) オリーブオイル |
作り方:
・魚を三枚におろし、皮を剥ぐ
イワシ類は身が柔らかいので楽ですが、気を抜きすぎて身を壊さないように注意が必要です。必ず皮を剥ぎ(意外と楽です)、腹身の骨と膜は削ぎ落してください。なおサンマは身が細長いので3枚に下ろした後、身を半分にするとちょうどいい感じです。1匹でマイワシなどの2匹分になります。
・魚の身を洗い、キッチンペーパーで水気をとる
加熱しないで食べるものなので、扱いには気をつけてください(内臓類に触れないよう)。夏場はバットに氷入れたうえでここまでの操作をしています。
・魚の身に沢山の塩をすり込む、冷蔵庫で約10分
どうせ後で洗い流す上に、マリネ液に浸すので、塩気は抜けます。身を締めるために驚くほど沢山の塩をすり込んでしまうのがポイントです(下記コラム参照)。
・塩を洗い流す。魚の身をガラス(または陶器製)のバットに並べる
魚の身が締まって美味しそうになっていると思います。塩の粒をしっかりと洗い流さないと、塩辛くなってしまうので注意してください。すぐにマリネ液に浸すので水を拭き取る必要はありません。このあとビネガーやレモン汁を使うので、かならずガラス製か陶器を使ってください。
・「白ワインビネガー:レモン汁」が2:1位(適当で構いません)の割合でかける。魚の身がちょうど浸るくらいにするのが適正です。
一晩以上浸け込む場合には、さらに1/3量位の水を加えてください(すぐ食べる場合でも酸っぱいのが苦手な人は適宜調整してください)。シェリービネガーやリンゴ酢でも美味しくできることを確認済みです。レモン汁は必須ではありませんが、さわやかな味になっておいしいです(うちでは瓶詰めの瀬戸内レモンを使用)。
・刻んだニンニク、パセリを散らす。ラップして冷蔵に入れる。
イタリアンパセリでも普通のパセリでもどちらでも大丈夫です。パセリは必須ではなく、オレガノなどでもOKですし省略しても構いません(ニンニクも)。「スペインの熱い食卓」(文化出版局、1995)によれば、ニンニク&イタリアンパセリの組み合わせはスペイン風らしいです。
・刺身のような食感を楽しむ場合は、30~1時間つければ食べられます。しっかりと漬けたい場合は一晩以上冷蔵庫においてください。
アジやトビウオは半生の状態で刺身のような食感を楽しむのがオススメです。イワシ類は一晩以上つけるのがお勧めで非常においしいです。サンマはどちらもOK。
・魚の皮側が上になるように皿に盛って、オリーブオイルをかければ完成です。
そのままいただくので、おいしいオリーブオイルがオススメです。
青背の魚には、エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸などの不飽和脂肪酸が多く含まれていて、成人病予防など健康にいいと言われています。しかし、これらの不飽和脂肪酸、とても酸化しやすいのが欠点で、青背の魚が苦手な人の多くは、これらの脂が劣化した時の匂いが特にダメなのだと思います。マリネにすれば、青背の魚が苦手な人でも美味しくいただけると思いますが、できるだけ新鮮な魚を使うようにしてください(トビウオ、アジは青背の魚らしい香りは少なめです)。
バリエーション:
マイワシ、カタクチイワシ(セグロイワシ、シコイワシとも呼ぶ)、ウルメイワシ、アジ、サンマ、トビウオで作ったことがありますが、どれもおいしいです。魚によって適正な漬け時間が変わります。短い漬け時間(30~1時間程度)だと中の方は刺身のような食感が楽しめます。この場合は、アジ、トビウオが特にオススメです。ちなみに刺身用のトビウオはなかなか入手できませんがよく締まった身の食感が絶品です。
こちらはセグロイワシ、小さいのですぐに漬かりますが、とてもおいしいです。刺身用はなかなか出まわりませんが、あればオススメ。
こちらはサンマ、味も良く、1匹で4切れくらいにできるのでお得です(笑)。
アジのマリネです。身の厚いアジを選べば、外はマリネ、中は刺身という食感が楽しめます。青背の魚らしい香りが苦手な人にもオススメです。
寄生虫症のリスクと回避:
残念なことに青背の魚には、アニサキスという寄生虫がいることがあります。生食をするとまれに感染することがあって数日間腹痛に苦しむ可能性があります(場合によっては内視鏡検査が必要になることがありますが、アニサキス症自体は命に関わるような病気ではありません!)。アニサキスは魚の消化管にいるのですが、魚が劣化してくると身へと移ってしまいます。酢でしめた位では死滅しないといわているので、普通にマリネしただけではアニサキスのリスクはゼロにはできません。しかし、ナメクジなどと同じく虫体は浸透圧の変化には弱いと考えられるので、塩で締めればそのリスクは大幅に減らせると考えています。絶対に大丈夫と保証はできませんが、しっかりと塩漬け+強めの酢で締める、という操作をしていれば、まず大丈夫だと思います。ちなみに、gatto e topoは2年以上の間、青背の魚を自分でさばいて、マリネや刺身にしていただいていて、何度かそれらしき虫体を目撃したこともありますが、今のところアニサキス症になったことはありません。しかも、アニサキス症は、エキノコックス症などと違って命に関わるような病気ではありませんので、稀に起こりうるリスクの1つとして考えています(ちなみに一旦冷凍すれば寄生虫は完全に死滅しますので、どうしても心配な方は解凍品を使ってください)。
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