2014年2月15日土曜日

鯵のマリネと焼き茄子のピュレのピンチョス(レシピ)

新鮮なイワシを使ったマリネは地中海の定番ですが、アジを使ってもおいしいです。青背の魚には、エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸などの不飽和脂肪酸が多く含まれていて、成人病予防など健康にいいと言われています。マリネにすれば、青背の魚が苦手な人でも美味しくいただけると思います。
今回は、地中海料理で定番ともいえる焼き茄子のピュレと合わせてピンチョスにしてみました。アジのマリネとカタルーニャ風焼き野菜のサラダを合わせたレシピを参考にしましたが、現地でもいろいろな組み合わせが実践されてるようなので、意外と定番かもしれません。


8個分

刺身用アジ 1匹
塩 大量
白ワインビネガー (魚の身が浸るくらい)
レモン汁 (白ワインビネガー:レモン汁=2:1程度で)
オリーブオイル
茄子(米ナスも美味しい) 1~2本
小ネギ 少々
フランスパン 8スライス


作り方:

~アジのマリネ~

・アジを三枚におろし、皮を剥ぐ
必ず皮を剥ぎ(意外と楽です)、腹身の骨と膜は削ぎ落してください。刺身用のアジの身でも構いません。

・魚の身を洗い、キッチンペーパーで水気をとる
加熱しないで食べるものなので、扱いには気をつけてください(内臓類に触れないよう)。夏場はバットに氷入れたうえでここまでの操作をしています。半身をそれぞれ4つに切り分けます(1匹で8つできます)。もちろん大きさによってこの辺りは自由です。

・魚の身に沢山の塩をすり込む、冷蔵庫で約10分
後で洗い流す上に、マリネ液に浸すので、塩気は抜けます。身を締めるために驚くほど沢山の塩をすり込んでしまうのがポイントです(下記コラム参照)。

・塩を洗い流す。魚の身をガラス(または陶器製)のバットに並べる
魚の身が締まって美味しそうになっていると思います。塩の粒をしっかりと洗い流さないと、塩辛くなってしまうので注意してください。すぐにマリネ液に浸すので水を拭き取る必要はありません。このあとビネガーやレモン汁を使うので、かならずガラス製か陶器を使ってください。

・「白ワインビネガー:レモン汁」が2:1位の割合でかける。魚の身がちょうど浸るくらいにするのが適正です。
シェリービネガーやリンゴ酢でも美味しくできます。レモン汁は必須ではありませんが、さわやかな味になっておいしいです(シーズン中は国産レモンがおすすめ)。比率は適当で構いません。

・ラップして冷蔵に入れ数時間(~一晩まで)
浸かりすぎても微妙なので一晩までにするのがお勧めです。アジの身を引き上げて、オリーブオイルと絡めます。ケータリング!?の際には、ビンに詰めます。


~焼き茄子のピュレ~

・並行して、茄子をオーブンで190℃20分位(米ナスなら30分)焼く
焼き時間は茄子の大きさによります。大型の米ナスであれば長めに焼く必要があります。途中で1回ひっくり返してください。

・茄子の皮を剥き、フードプロセッサなどでピュレ状にする
オーブンから出した後、濡らしたキッチンペーパーなどでくるんでおくと剥きやすいです。フードプロセッサがなければ、包丁で細かく切っても構いません。

・オリーブオイル、マリネの漬け汁を加え、適当な濃度に仕上げる
塩も加えて味を調整してください。代わりに、練りゴマ(タヒーニ)とニンニク、レモン汁を加えると、東地中海風(レバノン)の焼き茄子のディップになります。ケータリング!?の際には、ビンに詰めます。


~仕上げ~

・フランスパンのスライスの上に茄子のピュレを塗り、その上にアジのマリネをのせる
パンはニンニクをすりこんでからトーストするとよりおいしくなります。そうしなくても、普通においしいです。

・小ネギを散らして完成です
アジが落ちないように、爪楊枝で止めてもよいです(本来の意味でのピンチョスになります)。


アジ1匹で8個分(半身を4分割)作れるので、大人数のパーティにもお勧めです。ケータリングもご覧のとおり、1)マリネ、2)茄子のピュレ、3)小ネギ、と小瓶などに詰めていけば、とても簡単に持っていけるので(現地組み立て)とても便利です。青背の魚が苦手な子は多いと思っていたのですが、お子さんのいる会でも、一瞬でなくなる程、人気でした。マリネと焼き茄子の組み合わせはと
ても食べやすいようです。アジ4匹で32名分作ったこともありますが、意外に簡単に準備出来ました。


写真は小瓶に詰めたところ。輸入食材店(酒屋)で買ったパテの空き瓶を使いました。これで16切れ分(アジ2匹)です。



アニサキスのリスクと回避法:
アジやイワシなどの青背の魚には、アニサキスという寄生虫がいることがあります。アニサキスは魚の消化管にいるのですが、魚が劣化してくると身へと移行し、それを食べてしまうとアニサキス症を起こすことがあります。その場合、腹痛に苦しむ可能性がありますが、人体に永続的に寄生できないので、数日間で収まり、通常命に関わるような病気ではありません。酢でしめただけでは死滅させることができないので、注意が必要です。青背の魚のマリネを作る際には、そのリスクを意識した上で、できるだけ新鮮な魚を使い、きちんと内臓を捨てるようにしてください。うちでは、マリネや生食には刺身用の中でも鮮度の高そうなものを選び、かつ強めに塩漬けしています。リスクは0ではないですが、週に一度位の割合で食べ続けて、これまで4年以上無事故です。

それでも心配、という方には、一度冷凍することがお勧めです。寄生虫の類は、凍結に弱いので、冷凍すればリスクをほぼゼロにできると言われています。ただし、魚の味は悪くなってしまいます。凍らせることによって生じる氷晶が、魚の身(細胞)を破壊してしまうからです。そこで考えたのは、軽く塩漬けにしてから凍結する方法です。凝固点降下によって、氷晶形成を妨げることができます。おそらくこれで、味をあまり落とさずに、ほぼリスクをなくすことができるのではないかと考えています。凍結しない場合と比べてどの程度味が変わるかは、まだ調べていないので、今度試してからレポートします。

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