8月19日、沖縄旅行第2日目・西表島編です。
今回の旅の目的は、沖縄の食文化・街並み・大自然にふれること。食文化(公設市場)と街並み(首里城)は那覇で楽しんだので、今度は大自然にふれるべく、秘境中の秘境といわれる西表島を目指します。旅行2日目は、朝から那覇→石垣の飛行機に乗り、石垣島から高速船に乗り換えて西表島へ向かいました(写真は西表島・仲間川のマングローブ林)。
石垣空港は滑走路が短いため、着陸のとき急ブレーキがかかります。すごいエンジン音とタイヤが擦れるような音がして、前の座席に手を着くくらいでした。事前に知らなければ、ちょっと怖かったかも。
そんなこともあって、新空港が建設中ですが、当初サンゴ礁を埋め立てての計画だったので大論争を巻き起こしました。結局、陸上に作られることになったのですが、それでも赤土が海に流れ込まないように細心の注意が必要らしいです。現・石垣空港はとても小規模で、飛行機から歩いてターミナルそしてバス停へ向かいます。これはこれでいい雰囲気でした。
飛行機とバスの接続がギリギリだったのですが、なんとか早めのバスに乗れました。おかげで石垣市内でお昼を食べることができました。那覇ほどの密集度はないものの、「秘境」というイメージとは裏腹に、石垣市内はかなり都会でした。西表島・大原港行きの高速船に乗ることができました。激しく白波を上げて突き進んで行きます(写真は船から撮ったので他社運行便)。
Gatto e topoということで、話題に上げなくてはならないのはイリオモテヤマネコのこと。
西表島には、イリオモテヤマネコが住んでいます。見た目はかわいいトラネコですが、れっきとしたヤマネコ、離島に取り残されたベンガルヤマネコの生き残り(亜種)といわれています。島民の間では「ヤマピカリャー」という未確認動物(山の中で目が光る生き物)がいるという話題になっていたらしいのですが、その姿が確認されたのは1967年のこと。離島にヤマネコのような肉食獣が生息しているのはまさに奇跡で、世紀の大発見といわれました。現在の生息数は100頭、島の半周道路ができてからは交通事故にあう個体が多く、今年に入ってからも既に何頭も犠牲になってしまっているようです。イエネコとの交雑や競合も危惧されていて、登録や(屋外飼育の場合)去勢が必要など、飼育が規制されています。連絡船の中にも写真のような案内がありました。かなり注意が払われているものの、絶滅が危惧されています(西表野生生物保護センター)。もちろん、今回の旅であうことはできませんでしたが、いつまでもヤマネコが元気に暮らして行ける西表の自然が残っていてほしいものです。
石垣島から船で35分、西表・大原港に到着しました。西表島(289平方km)は沖縄本島につぐ大きさに人口は2000人少々(神津島とほぼ同じ。ちなみに神津島は18.5平方km)です。戦前まではマラリアと呼ばれる風土病が猛威を振るっており、今なお島のほとんどはうっそうとしたジャングルで占められています。マラリアは、蚊で媒介される原虫症ですが、現在は撲滅されているので心配ありません。
仲間川のマングローブ林
西表島のマングローブ林遊覧船は2種類ありますが(仲間川と浦内川)、石垣島からの連絡船がつく大原港から発着しているという点と、仲間川流域は日本最大のマングローブ林ということで、今回は仲間川遊覧を選びました。港を出て、すぐに仲間川河口に向かいますが、しばらくは冒頭の写真のようにかなり川幅が広い場所を疾走します。
ちなみにマングローブというのは、熱帯から亜熱帯の汽水域の湿地に生える木の総称です。西表島にはオヒルギ、メヒルギなど数種類の木が自生していて、遊覧船でもそれぞれ説明してもらったのですが、写真がどれに相当するのか失念してしまいました。
このようにかなり川幅の狭いところまで遡上します。まさにジャングル探検といった雰囲気です。
折り返し地点には、サキシマスオウという木の巨木があって、すこし見学タイムがあります。発達した板根が特徴で、かつては船の舵として重宝されていたようです。
仲間川は、およそ1時間ほどの遊覧でした。その後のバスがギリギリで、係りの人も必ずしも接続していない、という話だったのですが、運良く無事に接続、水牛車でわたる島として有名な由布島へ向かいました。
由布島
しばしば観光ポスターなどで見かける由布島の水牛車です。現在は観光用ですが、かつては農耕用に使われ、
由布島に暮らす人は、対岸の西表島の水田へ往復していたそうです。なんで西表島にすまなかったかというと、かつては風土病であるマラリアが蔓延していたので、安全な由布島に暮らしていたのです。現在は、由布島全体が動植物園のようになっています。
水牛は、水の中でくつろぐのが好きなようです。ちなみに、水牛といえばイタリアではモツァレラチーズが有名です。DOP(地方の高級特産品)に指定されたMozzarella di Bufala Campanaは、水牛乳が原材料でとても濃厚なのが特徴です。伝統的に水牛が飼育されている西表あたりでもモツァレラを作れば大ヒット間違えなし?だと思うのですが・・・(空輸が必要なのは変わらないですが)。
島の道には沢山の花が植えられています。かつては集落の道だった場所もあるようです。植物以外にも様々な動物が飼われています。いわゆる民営(個人経営?)の動植物園なので、マニアックな感じがたまりません。貝と蝶(育成)の展示館もあって、とても楽しめました。
ちなみに園内の道にはシロハラクイナが歩いていました。
この日は、大原港近くの大富集落にある旅館にお世話になりました。マングローブ林を見学した仲間川の近くです。郷土料理が充実していてとてもおいしかったです。写真はフエフキダイの揚げ物。八重山を含む沖縄では、揚げ魚が好まれています。熱帯系の魚は脂肪が少なめ、というのが揚げ物が好まれている理由らしいのですが、確かに身はさっぱりしているのでとてもおいしいです。添えられているのはシークァーサー、それからアオサの天ぷらです。どちらも沖縄らしい添え物です。ちなみに刺身のツマに青パパイヤの千切りが使われているのが面白かったです。
夜は、夜光虫や星空を期待して、仲間川の橋まで歩いて行きました(もちろん西表にもハブの仲間がいるので、草むらに入ると危ないです)。イリオモテヤマネコはもちろん、夜光虫には会えませんでした。雲が多く、月夜だったので、満天の星は見ることができませんでしたが、仲間川を照らす金星がきれいでした。ちなみに、明け方くらいに目が覚めたのですが、ベランダから見えた満天の星空を見ることができて大満足でした。
こちらは西表島の地図。大原港と仲間川は右下付近です。
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