ポルトガル、スペインときましたが、今回はスペインとフランスにまたがるバスク料理の紹介です。
イベリア半島の付け根の大西洋側がバスク地方です。スペインとフランスにまたがるエリアです(バスクの旗と地図はwikimediaからのリンク)。独自の言語「バスク語」が使われるなど独自色の強い文化圏です。そんなことも合って、スペインから自立を目指す動きもあります。こちらの旗はまさにバスク自立のシンボルですが、現在はスペイン・バスク自治州の州旗として使われています。バスクの沿岸、とくにサンセバスチャンには多数のミシュラン星つきレストランが集まるなど、食通の里として有名です。ピンチョスなどバルで楽しむ料理も新バスク料理として進化を遂げ、世界中に広がっています。
・スペイン料理とフランス料理の融合
スペインとフランスにまたがる地域ということで、双方の食文化の影響を受けつつ独自の進化を遂げています。オリーブオイルもバターも使うのが特徴です。スペイン料理一般とも重なる点は多いのですが、フランス料理の要素も含むため、当ブログではスペイン料理とは別のカテゴリにしてみました。
・オリーブオイル、ニンニクを多く使う。
オリーブオイルもたっぷり、ニンニクもたっぷりがモットーのようです(笑)。ちなみに皮のついた干しダラをニンニク・唐辛子オイルで調理して、皮のコラーゲン分を抽出、オリーブオイルと乳化させてパンにつけて楽しむという料理まであります(ピルピル)。
・唐辛子、ピーマンを多く使う(赤いソース)
大航海時代以降の特徴ですが、いろいろなものに唐辛子を入れます。よく使われるPiment d'Espeletteは、それほど辛味は強くないですが、内陸部ナバラの料理はかなり辛いようです。辛くない唐辛子であるピーマンも多く使います。タラや羊肉にかけてオーブン焼きにするとおいしいバスクソースは、ローストした赤ピーマンを主体としたソースです。
・パセリ、グリーンピースなどを使った緑のソース
赤い唐辛子(パプリカ・ピーマン)を多く使う一方、パセリやグリーンピースなどを使った緑のソースも多く使われています。パセリソースで魚介(白身魚+あさり)を調理するSalsa Verde(緑のソース)料理は、バスクが発祥、スペイン全土で楽しまれています。ちなみに、上の赤と緑(そして白)はバスクの国旗で、緑と赤のソースはバスクの心をあらわしているらしいです(バスクの方が書いたレシピ本によると)。
・魚介は白身魚を使う料理が多い!もちろんイワシ・カニ・イカも!
大西洋側ということもあって、タラ、カレイ(オヒョウ)など大西洋産の白身魚が好んで使われています。カニの身のオーブン焼きや、イカの墨煮もバスクの郷土料理として有名ですし、イワシの塩焼きも好まれているようです。
・肉は羊が好まれる
ピレネー山脈の麓ということで、牧畜も盛んです。羊の肉、羊のチーズが好まれているようです。
・パン食も盛んだが米料理もある。
米が沢山食べられている地域、というわけでもないようだが、土鍋で作るアサリご飯(うちではパエリア鍋で作成)やリゾットなどいくつかの米料理が知られています。
・チャコリ(微発泡白ワイン)とシドラ(リンゴの微発泡酒)が有名
雨が比較的多い地域なので、ワインのアルコール分は低く、酸味が強いのが特徴です。ワインを高いところから注ぐことで、微発泡のワインをさらに泡立てて飲むのが現地流らしいです。リンゴの産地でもあるのでシドラ(フランス語でシードル)も作られています。何本か飲んでみた印象ではフランスのシードルより甘味が少なく、やはり酸味が強いようです。バスク料理は酸味の効いた飲み物と合うので、バスク産のチャコリやシドラとはベストマッチです(写真はバスク産シドラ)。
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