2013年8月31日土曜日

丹後の旅3:伊根

2013年の夏休み、3日目はレンタカーを借り、宮津から伊根を目指しました。

 
写真は伊根の舟屋です。


朝、宮津駅近くからレンタカーを借り、舟屋で有名な伊根を目指します。途中、海岸線ギリギリを通るところもあり、天気がよかったこともあって、とても良い景色でした。







宮津を出たのは9時半頃でしたが、10時半前には、道の駅「舟屋の里」に到着、伊根湾を見渡すことが出来ました。


海岸線にひたすら舟屋が並ぶ光景は想像以上に壮観です。ここまで伝統建築に統一されていて、そして自然に溶け込んでいる風景は日本では本当に珍しい貴重な場所だと思います。


ちょうどこの日は、「おべっさん」の祭りの日、手漕ぎの祭礼船が伊根湾の入り口に浮かぶ青島(下の写真右)に向けて進んでいるところでした。かつては4地区とも手漕ぎだったそうですが、「高齢化」と人口減の影響で、現在は2艘が手漕ぎ、2艘が動力船とのこと。青島にある蛭子神社を皆(男性のみ)で参拝した後に、「こばりあい」という競争に入るそうです(11時頃から)。


ここで、申し込んでいた街並み観光ガイドのガイドさんと合流、まずは展望台で伊根についての解説、この日は「おべっさん」についての生解説をしていただきました。道の駅内にある観光協会の事務所で代金を支払ってから、ガイドツアースタートです。

今回は「亀島地区」のガイドをお願いしていたので、一旦車に乗って、郵便局の近くで再合流です(ガイドさんは原付きで移動)。








細い道路の右側が海側、左側が山側で、山側には母屋が、海側には舟屋と蔵があります。ガイドさんの話では、元々は道はもっと細くて、人が通れるぐらいの道幅で、母屋のすぐ隣に蔵と舟屋があったそうです。昭和初期の頃に道路拡幅をして、その時に舟屋や蔵を曳家にて海側に移動させたそうです。埋め立てて土地を作ったこともあって、舟屋側の地盤は沈下気味、時々嵩上げをしているそうです。





用水路のような溝がありましたが、海につながっていて、潮が満ちた時には海水が入ってくるそうです。海までの距離は極めて近いです。



お祭り(おべっさん)ということで多数ののぼりがたっていました。














まずは公開されている舟屋をガイドさんとともに見学。
舟屋内に置かれていた木造船はもう使っておらず、その上にはお孫さんが使っているという浮き輪などが置かれていました。家からそのまま海水浴!というのはすごいですが、本当に水が綺麗で、今すぐにでも泳ぎたい感じでした。








道路を挟んで山側が母屋です。
舟屋と母屋はセットになっていることが多いそうです。







亀島地区を散策します。海側には土蔵もあります。伊根の土蔵は、写真のような飾りがついていて興味深いです。縁起がよさそうなマークのほか、家紋がつけられている場合もありました。
左官屋さんの腕の見せ所だそうで、作ってから取り付けているらしいです。


そしていよいよ憧れの現役の舟屋を見学します。というか、ガイドさんのお宅らしいです(許可を得て撮影)。舟屋の中には、FRPの漁船が置かれていました。



海側に出ると息を飲むような美しい水辺の景色が広がっていました。最近では、舟が大きくなってきたので、舟屋に収納せず、そのまま係留しておくことが多いそうです。



ちょうど「おべっさん」の「こばりあい」(競争)の最中だったので集落の人が出て、その様子を見ていました。展望台から見た時のゆっくりとした動きと比べて、驚くほど速かったです。かつては4艘の競走だったり、「アンコール」があったりと、もっと壮観だったそうですが。




ここで、ガイドさんから海から遊覧の勧め、数軒先に係留されている舟の主に向かって、手を振ってにわかに携帯電話(笑)。ちょうど、出るところだから、そのまま案内できるそうです。という訳で帰り道は徒歩ではなく、そのまま舟にピックアップしてもらうことになりました。あれよあれよという間に、ことが進みます。海外だったら料金が心配なところですが(笑)、伊根の海上タクシーは1人1000円(2013年夏現在)の定額なので安心です。

 という訳で、舟屋から「海上タクシー」(漁船)に乗船、ちょうど船着場から、もう一組ピックアップするということなので、そこまでは貸切状態で進みます。なかなか軽快な解説で楽しかったです。








「海上タクシー」は、建物のそばを通るので、舟屋の様子がよくわかります。途中まで貸切状態だったので、写真も撮り放題。


















伊根湾の海辺にはひたすら舟屋が並んでいます。壮観です。




こちらの舟屋は、とても古く、最も古いものは江戸時代のものだそうです。側壁が斜めになっているのが特徴、元々藁葺きだったそうです(古い写真を見せてもらいました)。











今回は反時計回りに伊根湾を回ります。こちらは養殖の生け簀(ブリなどをいれる為らしい)です。


蛭子神社のある青島の横も通りました。伊根湾の入り口です。湾口が狭いこともあって、台風のときでも、湾内は比較的波が静かだそうです。






亀島地区に戻ってきました。














この辺りは、映画やドラマのロケでも使われた場所だそうです。海岸線が大きく曲がっていてよい感じです。



水の色が本当に綺麗です。この日は、大潮が近いということもありますが地盤沈下している様子もよくわかります。











海、舟屋、山の位置関係がよくわかります。













ちょうど祭礼舟を収納しているところのようです。



海岸線をずっと進んで、伊根郵便局の近くまで送ってもらいました。







ちょうどお昼時だったので、食事処を軽く探しつつ、車でめぐります。道は非常に細いですが、時々エキサイティングな光景が目に入ります。

郵便局から平田地区に向かうところで出会った景色で、冒頭の写真でも、微妙に異なるカットを紹介しましたが、水の色は息を飲むような美しさ、そして舟屋と漁船のコントラストが素晴らしかったです。ちなみに、近年は漁船が大きくなってきたこともあって、ご覧のとおり、舟屋には収納できず、舟屋の前に係留することが多くなったそうです。







考えていたお店が満席だったので、時間をつぶす目的で少し散策、まず平田地区にある波止場の前に車を止めて、ちょっと写真を取りました。さっきもう一組のお客さんが乗り込んだ場所です。


波止場から向かって左側の様子、かなり潮が満ちています。














波止場から向かって右側の様子はこちら













何やら工事もやっていました。









せっかくなので更に車を進めて遊覧船が発着している日出地区を目指します。
途中で出会った景色がこちら。やはり水の色がとても綺麗でした。
今年は海水浴は予定していなかったのですが、まさにそのまま泳ぎたい感じ。






さらに対岸にも集落が見えました。













日出地区からは遊覧船が発着しています(今回は海上タクシーを使いました)。さらに大きな舟を保管するための「舟屋」もあります(写真はさらに先の対岸から撮影)。


さらに伊根湾を抜けて、宮津市の大島地区まで足を伸ばしてみました。砂浜ではあるものの、舟屋にも通じる水辺空間が形成されていました。


さて、もう一度、戻ったのですが、食事処はまだ満席でした。なかなか食べるところを探すのが難しく、結局、道の駅のお寿司屋に入ることに、、、ここもかなり並んで、しかもほとんどネタ切れ間近でギリギリでした。伊根に行くときはお昼どころはよく考えておいた方がよさそうです。

海鮮丼、かなり待った甲斐があって、なかなかおいしかったです。どうやら今夜泊まる旅館の経営らしい・・・。



再び、舟屋エリアに戻り、今度は、平田地区の酒蔵(向井酒造)に立ち寄りました。立派な松が印象的です。


今回はレンタカーだったので、試飲はできませんでしたが、お話を伺いつつ、お酒をいくつか購入、お土産としても好評でした。母屋側にお店があって、海岸側に瓶詰めなどの作業場がありました。どちらも歴史ある佇まいです。下の写真は海岸側の様子。




作業場の中を通って、海側にでることもできました。海上にテラス?があって、海側から景色を眺めることができました。







両脇に歴史的建造物が立ち並ぶ光景は、なかなか目にすることができない光景です。

 

この時、にわか雨にあいましたが、なかなかよい景色でした。



伊根湾の地図:

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せっかくのレンタカーなので、今度は、伊根町内にある「新井(にい)の棚田」を目指しました。車にはカーナビがついているので、あっさりわかるとおもいきや・・・。

海沿いの小道を進んでいくと、棚田らしいものは見つからず、新井の集落に到着、集落付近の区画整理された棚田はあっさり見つかったのですが、GoogleMapの通り、まあ普通の田んぼです。







そこで来た道を戻ったのですが、小さな田んぼがあるだけで、写真でみた棚田とは違います。








もしかしたら、さらに上の道からしか見られないのではないかと、再び新井集落に戻り(笑)、めちゃめちゃ細い山道に侵入、、、小型車だからできる芸当です。
今度こそ、「新井の棚田」に到着です。


大規模なものではないのですが、驚くほど細い田んぼが新鮮で、海と稲穂のコントラストが美しかったです。 

ちょっと離れたところから撮った様子がこちら。















ちなみにこの時、車一台分の細い山道、かつ断崖、という現場で、対向車に出会うという悲劇があって、ソロリソロリとバックして何とかすれ違いに成功しました。たぶん、なんとか切り抜けた直後に撮った写真かと(笑)、、、



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棚田を堪能した後、再び国道178号に復帰して、より北、丹後半島の北端を目指しました。風光明媚な断崖絶壁の海岸が続きます。蒲入付近で撮った写真がこちらまだ伊根町内です。



微妙に離れた(数十メートル)場所ですが、なぞのギリシャ遺跡風の展望台(?)もありました。









さらに激しい断崖絶壁の地を通り、丹後半島の北端、経ヶ岬の付け根をトンネルで抜けました。ここからは京丹後市です。峠の激しい山道を抜けて、下って行くと、集落が近づいてきたのですが、、、


棚田で知られる袖志集落です。
もう夕方が近く、写真としては鮮やかではないですが、山、水田、集落、海岸の対比がとても綺麗でした。










 集落に近づいて驚いたのは、ほぼすべてが、いかにも漁村といった雰囲気の木造建築だったことです。
海岸べりにはイカが干されていたりして、本当によい雰囲気でした。
(写真は、さらに先の丹後松島までいって戻る際に、帰り際に撮ったものです)


伊根の舟屋群もすごいですが、こちらも貴重で美しい漁村の原風景なのではないかと思います。


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かなり夕暮れ時になりつつありましたが、さらに車を進めて、「丹後松島」を目指しました。


こちらが丹後松島、夕暮れ前に到着することが出来ました。ここで折り返して、奥伊根温泉の旅館を目指します。











帰り道、袖志の街を見たり、断崖の続く海岸線を横目で見ながら旅館を目指します。


久しぶりの山道の運転でしたが、素晴らしい景色を堪能することが出来ました。


旅館にも無事到着、ちょうど上りつつある月がキレイでした。写真は部屋から撮りました。高台の旅館なので眺めも素晴らしかったです。

















今回は、奥伊根温泉に泊まりました。霧島温泉ではいかにも「温泉ホテル」というところを堪能しましたが、こちらは、まさに「温泉旅館」といった感じでした。露天風呂もなかなかよかったです。
特筆すべきは食事、質・量ともに素晴らしかったです。特に写真の大きな岩牡蠣は、初めでしたが、素晴らしい味わいでした。


他にも、アワビの焼き物や天ぷら、そして黒豆入のご飯やミニデザートもつきました。


すっかり伊根の日本酒も飲んで、満腹になりました。

Posted by Picasa

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