キノコと放射能の問題に関する続編です(「放射能と菌類」「放射能と菌類2」)。
栽培キノコであっても、原木栽培や露地栽培では地域によっては暫定基準値を超える放射性セシウムが検出される例が出ているものの(おそらく原木や培地が雨に打たれたものと考えられます)、屋内の菌床栽培キノコについては、セシウムの値は概ね低く、暫定基準値を超える例はありませんでした。ただ、8月頃より100 Bq/Kgを超える菌床シイタケがちらほらと出始めていて、少々気になっておりました。
しかし、10月29日発表の緊急時モニタリング検査(福島県)によると、ついに菌床栽培のキノコ(シイタケ)から暫定基準値を超える放射性セシウムが検出されてしまいました(10月27日採取の施設栽培菌床シイタケで850Bq/Kg)。屋内の菌床栽培ということなので、おそらくは培地に使うオガクズなどが放射性セシウムに汚染されていたのだと思います。現時点では基準値超えは1件のみで、培地そのものが汚染されていたのか(オガクズ・米ヌカなど)、3月の放射性物質飛散時に培地が屋外にあって汚染されてしまっていたのか、はっきりしません。これまでのところ、菌床栽培で100 Bq/Kg超えの例(8月4日採取で2件)も含めても、全て原発から比較的近い地域ですので、後者の可能性もあると考えています。しかし、西日本で菌床培地から放射性セシウムを検出した例があって、前者の可能性も十分に注意する必要がありそうです。今回は原発から比較的近い地域での検出でしたが、汚染されたオガクズや米ヌカが原因であれば、原発から全く離れた地域の菌床栽培でも同じ問題が起こりえます。反対に、そうであれば汚染された可能性のある培地を使いさえしなければ、完全に防げるはずです。
個人的には、キノコは大好物で頻繁に食べているので、とても気がかりなニュースです。牛肉の時のようになる前に、ぜひ気をつけていただきたいと思います(頼もしいことにすでに放射能検査をロットごとに行なっている業者もあるようです)。
参考:
緊急時モニタリング検査(福島県)10月29日発表
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/mon231025-28mv.pdf
緊急時モニタリング検査(福島県)8月6日発表
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/mon230804mv.pdf
2011年11月3日木曜日
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