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2014年12月23日火曜日

鯛の島味カルパッチョ風タパス

刺身用の鯛を使ったカルパッチョ風のタパスです。沖縄食材であるピパーツ(長胡椒)を使うところが味の決め手です。




3~4人前

・刺身用タイ 1サク
・ケーパー(塩漬け)小さじ1~2
・小ネギ 大さじ1程度(1~2本)
・ニンニク 1片
・ピパーツ(長胡椒)少々
・シークワーサー汁(またはレモン汁)小さじ1程度
・海塩(粗め)少々
・食用椿油(またはオリーブオイル)少々


作り方:

・刺身用タイは適度に刻む
あまり細かくしすぎず、粗みじん位がよいです。島な感じを出すには、例えばトビウオやシマアジなども良いかもしれません。

・塩蔵ケーパーは水洗いし、水気を拭き取り、適度に刻む
ケーパーは塩漬けがお勧めです。

・小ネギ、ニンニクを刻む

・以上の食材を混ぜ、さらにピパーツ、シークワーサー汁、塩、椿油と合わせる
ピパーツは、沖縄そば等にかける香辛料として沖縄食材店に売られています。

・パンにのせ、仕上げに海塩(粗め)と食用椿油(またはオリーブオイル)をかける。


今回は、島スペシャルということで、ちょっとこだわりの材料を使ってみました。シークワーサー汁はレモン汁(またはカボス)、椿油はオリーブオイルに代えてもOKです。島な感じを出すために、今回は、沖縄県産のシークワーサー、利島(東京都産)の食用椿油、そして青ヶ島(東京都産)の「ひんぎゃの塩」を使いました。「ひんぎゃの塩」は、地熱で作った青ヶ島の名物です。普段から仕上げ用に、好んで使っています。なお、シークワーサーの代わりには、酸味が穏やかな小笠原村産の島レモンでも良いかもしれません。

2014年2月15日土曜日

鯵のマリネと焼き茄子のピュレのピンチョス(レシピ)

新鮮なイワシを使ったマリネは地中海の定番ですが、アジを使ってもおいしいです。青背の魚には、エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸などの不飽和脂肪酸が多く含まれていて、成人病予防など健康にいいと言われています。マリネにすれば、青背の魚が苦手な人でも美味しくいただけると思います。
今回は、地中海料理で定番ともいえる焼き茄子のピュレと合わせてピンチョスにしてみました。アジのマリネとカタルーニャ風焼き野菜のサラダを合わせたレシピを参考にしましたが、現地でもいろいろな組み合わせが実践されてるようなので、意外と定番かもしれません。


8個分

刺身用アジ 1匹
塩 大量
白ワインビネガー (魚の身が浸るくらい)
レモン汁 (白ワインビネガー:レモン汁=2:1程度で)
オリーブオイル
茄子(米ナスも美味しい) 1~2本
小ネギ 少々
フランスパン 8スライス


作り方:

~アジのマリネ~

・アジを三枚におろし、皮を剥ぐ
必ず皮を剥ぎ(意外と楽です)、腹身の骨と膜は削ぎ落してください。刺身用のアジの身でも構いません。

・魚の身を洗い、キッチンペーパーで水気をとる
加熱しないで食べるものなので、扱いには気をつけてください(内臓類に触れないよう)。夏場はバットに氷入れたうえでここまでの操作をしています。半身をそれぞれ4つに切り分けます(1匹で8つできます)。もちろん大きさによってこの辺りは自由です。

・魚の身に沢山の塩をすり込む、冷蔵庫で約10分
後で洗い流す上に、マリネ液に浸すので、塩気は抜けます。身を締めるために驚くほど沢山の塩をすり込んでしまうのがポイントです(下記コラム参照)。

・塩を洗い流す。魚の身をガラス(または陶器製)のバットに並べる
魚の身が締まって美味しそうになっていると思います。塩の粒をしっかりと洗い流さないと、塩辛くなってしまうので注意してください。すぐにマリネ液に浸すので水を拭き取る必要はありません。このあとビネガーやレモン汁を使うので、かならずガラス製か陶器を使ってください。

・「白ワインビネガー:レモン汁」が2:1位の割合でかける。魚の身がちょうど浸るくらいにするのが適正です。
シェリービネガーやリンゴ酢でも美味しくできます。レモン汁は必須ではありませんが、さわやかな味になっておいしいです(シーズン中は国産レモンがおすすめ)。比率は適当で構いません。

・ラップして冷蔵に入れ数時間(~一晩まで)
浸かりすぎても微妙なので一晩までにするのがお勧めです。アジの身を引き上げて、オリーブオイルと絡めます。ケータリング!?の際には、ビンに詰めます。


~焼き茄子のピュレ~

・並行して、茄子をオーブンで190℃20分位(米ナスなら30分)焼く
焼き時間は茄子の大きさによります。大型の米ナスであれば長めに焼く必要があります。途中で1回ひっくり返してください。

・茄子の皮を剥き、フードプロセッサなどでピュレ状にする
オーブンから出した後、濡らしたキッチンペーパーなどでくるんでおくと剥きやすいです。フードプロセッサがなければ、包丁で細かく切っても構いません。

・オリーブオイル、マリネの漬け汁を加え、適当な濃度に仕上げる
塩も加えて味を調整してください。代わりに、練りゴマ(タヒーニ)とニンニク、レモン汁を加えると、東地中海風(レバノン)の焼き茄子のディップになります。ケータリング!?の際には、ビンに詰めます。


~仕上げ~

・フランスパンのスライスの上に茄子のピュレを塗り、その上にアジのマリネをのせる
パンはニンニクをすりこんでからトーストするとよりおいしくなります。そうしなくても、普通においしいです。

・小ネギを散らして完成です
アジが落ちないように、爪楊枝で止めてもよいです(本来の意味でのピンチョスになります)。


アジ1匹で8個分(半身を4分割)作れるので、大人数のパーティにもお勧めです。ケータリングもご覧のとおり、1)マリネ、2)茄子のピュレ、3)小ネギ、と小瓶などに詰めていけば、とても簡単に持っていけるので(現地組み立て)とても便利です。青背の魚が苦手な子は多いと思っていたのですが、お子さんのいる会でも、一瞬でなくなる程、人気でした。マリネと焼き茄子の組み合わせはと
ても食べやすいようです。アジ4匹で32名分作ったこともありますが、意外に簡単に準備出来ました。


写真は小瓶に詰めたところ。輸入食材店(酒屋)で買ったパテの空き瓶を使いました。これで16切れ分(アジ2匹)です。



アニサキスのリスクと回避法:
アジやイワシなどの青背の魚には、アニサキスという寄生虫がいることがあります。アニサキスは魚の消化管にいるのですが、魚が劣化してくると身へと移行し、それを食べてしまうとアニサキス症を起こすことがあります。その場合、腹痛に苦しむ可能性がありますが、人体に永続的に寄生できないので、数日間で収まり、通常命に関わるような病気ではありません。酢でしめただけでは死滅させることができないので、注意が必要です。青背の魚のマリネを作る際には、そのリスクを意識した上で、できるだけ新鮮な魚を使い、きちんと内臓を捨てるようにしてください。うちでは、マリネや生食には刺身用の中でも鮮度の高そうなものを選び、かつ強めに塩漬けしています。リスクは0ではないですが、週に一度位の割合で食べ続けて、これまで4年以上無事故です。

それでも心配、という方には、一度冷凍することがお勧めです。寄生虫の類は、凍結に弱いので、冷凍すればリスクをほぼゼロにできると言われています。ただし、魚の味は悪くなってしまいます。凍らせることによって生じる氷晶が、魚の身(細胞)を破壊してしまうからです。そこで考えたのは、軽く塩漬けにしてから凍結する方法です。凝固点降下によって、氷晶形成を妨げることができます。おそらくこれで、味をあまり落とさずに、ほぼリスクをなくすことができるのではないかと考えています。凍結しない場合と比べてどの程度味が変わるかは、まだ調べていないので、今度試してからレポートします。

2013年6月30日日曜日

マグロ/カツオのカルパッチョ(レシピ)

イタリアの代表的生魚料理であるカルパッチョです。

今回は、南イタリア・アマルフィでいただいたマグロのカルパッチョを参考にしました。
レモン皮がさっぱりとした香りと味をもたらすので、マグロやカツオとの相性が最高です。


おおよそ2人前

マグロのサク(カツオもおいしいです!)
ニンニク 1かけ~半分
レモン 小 半分

唐辛子(粗挽き)少々
オリーブオイル
イタリアンパセリ等 あれば(飾り用)

作り方:

・皿にニンニク片をこすりつける。その後、細かいみじん切りにしておく
このやり方は「Venezia -food and dreams-」などのレシピ本にも紹介されていますが、若干オマジナイっぽい所も。なんとなくおいしくなった気がします。白か透明(ガラス)など無地の皿がオススメ。

・刺身用のサクをそぎ切りのような形で薄切りにして皿に並べていく
勝手なイメージでふぐ刺しのように…(笑)薄く切れない場合、半凍結にすれば切りやすいです。

・細かくみじん切りにしたニンニク、レモン皮をふりかける

・塩、唐辛子で味付けし、オリーブオイルをふりかける
辛過ぎない韓国唐辛子(あればPiment d'Espelette)がオススメです。

・ラップして冷蔵庫で少々冷やすとおいしくいただけます。食べる直前にレモン汁をかけてください
コラトゥーラ(ナンプラー・ニョクマムでも可)などの魚醤を隠し味としてレモン汁と合わせてもおいしくなります(まさにタイ料理なエッセンスですが)。



うちではメバチマグロやカツオを使うことが多いです(シーズンにはぜひカツオを!)。キハダマグロや本マグロ、ミナミマグロでも赤身でつくればおいしくいただけるはずです(後2者は高価なので試したことはないですが・・・)。それよりなにより、あれば「生」(解凍ではない)のマグロで作ってください。ドリップの問題が生じず、食感もやはり解凍品より上です。もちろん解凍品でも十分においしくいただけます。


ちなみにアマルフィでいただいたマグロのカルパッチョは、サラダ仕立てで、糸唐辛子が振りかけられていて、番傘のミニチュアが飾られていました(笑)。イタリアンのイメージが強いカルパッチョですが、魚で作るタイプのそれは、現地でも日本(を含む東アジア)の刺身をかなり意識しているのではないかと思います。


2013年6月16日日曜日

ガスパッチョ

スペインの夏の定番です。
極めてシンプルで、標準的な作り方ですが、なかなかおいしいです。



2人前

トマト 中 2個(ざく切り)
キュウリ 1本(皮をむいてざく切り)
赤ピーマン 1個(ざく切り)
ピーマン 1個(ざく切り)
にんにく 1かけ
皮を除いたパン 1かけ(フランスパン系)
オリーブオイル 少々
ワインビネガー 少々(シェリービネガーがオススメ)
パプリカ粉 少々

黒胡椒

作り方:
・野菜を適当に切り、皮を除いたパンと共に、ミキサーに入れ、適当な量の水を加えた後に、ピュレ状にする
うちではキュウリの皮を除いています。緑のピーマンを使わず、赤ピーマンにすれば赤さが引き立ちます。パンは必ずフランスパン系にしてください(バターを使っていないもの)。古くなって硬くなってしまったものを少々で十分です(冷凍庫に保管しておくと便利)。

・オリーブオイル、ワインビネガー、パプリカ粉、塩、胡椒を加えて、さらによく混ぜます。
うちではハンドミキサーを使っています。容器の劣化を考えて、ビネガーは最後にして、もう一度回していますが、ガラスの容器を使えばそういう心配をする必要はないかもしれません。

これで出来上がり、極めてシンプルです。冷やしていただくと、とてもおいしいです。
トマトの皮も剥くとさらに上品になるかもしれませんが、ミキサーにかけると粉々になるので、こちらは食物繊維としておいしくいただいています。






2012年11月25日日曜日

柚子が香るレバノン風鯛飯(レシピ)

東地中海沿岸のレバノンの料理をアレンジしました。仕上げにかけるソースに柚子皮を混ぜる所がポイントです。和風なイメージの強い柚子ですが、その香りは中東で多く使われているスパイス類との相性も最高です。







4人前

鯛 小1匹(ウロコ・鰓・内臓を処理したもの)
玉ねぎ 小1個
イタリアンパセリ 1~2枝(1枝は飾り用)
好みでローレル(1枚)、シナモンスティック(1/2本)、黒胡椒数粒も
米 1.5~2カップ
クミンパウダー 少々
レモン汁 大さじ1
柚子汁 小さじ1
柚子皮 すりおろし少々
松の実 少々(飾り用)
オリーブオイル 少々
作り方:
・半量の玉ねぎ(半量)を少量のオリーブオイルで炒める
玉ねぎはスライスでもみじん切りでも構いません。

・炒めた玉ねぎを鍋に入れて10分ほど煮込み、ハンドミキサーでピュレ状にする
水の量は、鯛がちょうど浸る+αくらいにしてください。
ハンドミキサーがなければ省略、あるいは適当に潰す感じで構いません。

・鯛を入れて20~30分ほど煮込む、塩を加えて調味する
鯛は自分でさばいてもよいですが、たいていの魚屋・スーパーは下処理してくれます。
イタリアンパセリ、ローレル、シナモンスティック、黒胡椒もここで入れてください(好みで)
鯛のブロードはこれにて完成です。

・残りの玉ねぎ(みじん切り)を少量のオリーブオイルで炒める

・洗って水をきった米を加えて、さらに炒める
米を炒めるとピラフのような仕上がりになります。

・炊飯器に移し、水位線に従って鯛のブロード(煮汁)を加える
鯛の身を崩さないように注意。残ったウロコが入らない用にするにはアク取りなどでこすとよいです。
(ブロードの方がたくさんできるので、上澄みをとるようにすれば、こさなくても大丈夫です)
鯛は冷えないように、少量のブロードと共に鍋に入れたままにして、フタをしておきます。

・クミンパウダーを加えて、炊飯器をスタートさせる
早炊きモードがあればそれで大丈夫です。

・鯛の煮汁を取り出して、レモン汁、柚子汁、柚子皮を混ぜてソースを作る
柚子皮が良い感じに食欲をそそります。レモン汁と柚子汁の比率は好みで調整してください。
冷めてしまうので、食べる直前でOKです。

・大皿にご飯を盛り、鯛をのせ、上からソースをかけます。

・イタリアンパセリと軽く炒った松の実を添えてください。
これにて完成です。冷めないうちに食べてください。
ちなみにイタリアンパセリの代わりに小ねぎでもおいしいとおもいます。

クミンを中心に中東のスパイスが香る鯛飯です。出汁をとって、ご飯を炊き込むという流れは、ポルトガル等の米料理に近いです。切り身でも同じように作れますが、やはり鯛1匹で作ると見栄えがします。しかも、アラも入ることになるのでブロードの味もよくなります。






2012年11月17日土曜日

タイ風ホタテのカルパッチョ(レシピ)

タイの特徴であるナンプラー+レモン汁がベースのソースでかるくマリネしたサラダ仕立てのカルパッチョです。もはや無国籍料理かもしれませんが、なかなか美味しいのでレシピを紹介します。







2~3人前

ホタテ(生)1パック
コリアンダー(香菜)2枝
小ねぎ 3本
バジル 2枝
赤ピーマン 1個
ゴマ油 少々
長胡椒(ピーヤーシ) 少々

<ソース>
ナンプラー 大さじ1
レモン汁 大さじ1
ニンニク 1片(すりおろす)
唐辛子 小1本(適量・みじん切り)
パームシュガー 小さじ1(砂糖で代用可)

作り方:
・ソースを作る。
ナンプラーとレモン汁をほぼ等量まで合わせたところに、パームシュガーを合わせ、ニンニクのすりおろし、唐辛子のみじん切りを混ぜる。ナンプラーを電子レンジ等で軽く加熱するとパームシュガーが溶けやすくなります。

・ホタテの貝柱を切り、ソースと混ぜ、5分程度軽くマリネする。
マリネせず、直接和えても大丈夫です。切り方は自由ですが、厚さ5mmから1cm位にしておくとよいでしょう。

・野菜を適当に切り、皿に盛る、そしてホタテと合わせて軽く混ぜる。
ソースごと混ぜてしまって構いません。

・適量のゴマ油、長胡椒(ピーヤーシ)をかけて完成です。
ピーヤーシは省略可ですが、独特の香りが食欲をそそります。沖縄食材店で買うことができます。オリーブオイルも試したことはありますが、こちらの料理にはゴマ油が合うようです。



タイ、イタリア、日本の要素が混ざった無国籍料理ですが、ソース自体は、タイ料理で一般的に用いられているものです。またバジルもイタリアをイメージさせるものの、実はタイでも非常に多く使われているハーブです。なお、パームシュガーは、砂糖でも代用可能です。パームシュガーはココヤシなどの樹液を煮詰めたもので、非常に味わい深くなります。うちでは三杯酢を作るときにも愛用しております。輸入食材を扱うスーパーで入手可能です。表面にはカビ防止のためのワックスで密封しているので、初めて使うときは剥がす必要があります。また、どうやらカビやすいようなので、冷蔵庫等で保管するのがオススメです。うちではパーシャル冷凍に入れていますが、かなり長期間全く問題なく使えています。とてもオススメです。






2012年10月28日日曜日

カボチャのニョッキ(レシピ)

カボチャの甘みが特徴の優しい味わいのニョッキです。旅行先でカボチャのニョッキを食べて、何とか再現できないかといろいろ頑張って、意外と簡単にできてしまったのが(本当にうまく作るのは難しいですが)、料理にはまるきっかけになりました。電子レンジを使うので、結構簡単に作ることができます。







2~4人前

<ニョッキ本体>
カボチャ 1/4切(皮をのぞいて300g程度)
強力粉 100g(カボチャの1/3量)
粉チーズ(パルミジャーノレッジャーノ) 20g程度(好みで)
卵 1個
打ち粉 分量外(薄力粉でOK)

<ソース+α>
バター 適量
セージ 適量
粉チーズ(パルミジャーノレッジャーノ) 10g程度(粉状)

作り方:
・カボチャの種をとり、皮ごと電子レンジで調理する
電子レンジ(強)で数分間(オートでOK)、串が通ればOKです。

・皮をとり、マッシュする
火が通っていると簡単に分離できます。ヤケドに注意!

・強力粉、卵、チーズを入れて、よく混ぜる
カボチャがある程度冷えてからにしてください。カボチャを計量し1/3量の強力粉を入れましょう。

・打ち粉をして、ゴルフボール大にまとめる(少し細長い形)
多少柔らかくても大丈夫。この状態で冷凍保存が可能です。


・塩を入れてお湯で茹でる。浮いてきたらOKです。
茹で時間は大きさにもよりますが、火が通ると浮いてくるのでわかります。

・水を切り、バターを塗ったオーブン皿に並べます。190℃10分(余熱あり)で加熱。
しっかりと水分を飛ばして、表面に張りをもたせます

・その間にバターを溶かし、セージ(乾燥)を加えます
小さな鍋あるいはフライパンでやらないと収率が悪いです。

・オーブンからだし、溶かしたセージバターそして粉チーズをかけて完成。




カボチャは、水っぽくなく、甘いモノがオススメです。「イタリア地方料理の探求」によると、プロは、軽く茹でてからオーブン焼きにしているようですが、電子レンジで十分においしいです。またしっかりと加熱しておけば、マッシュするだけで十分に柔らかくなり、小麦粉ともよく混ざります。個人的には、多少不均一のほうが素材感があって好きなので、裏ごしは不要だと思いますが、なめらかなものがお好きであれば、マッシュの段階で、裏ごしするとよいと思います。

なお、パルミジャーノ・レッジャーノ(粉チーズ)は粉タイプよりも、ブロックタイプを買って、その場で削るほうが風味の面から圧倒的におすすめです。本来的には長時間熟成させるものなので、ブロックごと冷凍ないしはパーシャル冷凍しておけばしばらく問題なさそうです。うちではブロック状のパルミジャーノチーズをパーシャル冷凍しておいて、使うときに切り出したり、削ったりしています。

バリエーション:
上のような食べ方は、北東イタリアのフリウリ風(フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州)らしいですが、クリームのパスタソースともよく合います。初めて食べたのは、クリームソースでした。

2012年3月19日月曜日

ルッコラのサラダ(レシピ)

イタリア北部から中部をイメージしたルッコラのサラダです。ルッコラにベーコン、オリーブ、木の実などを合わせたバルサミコ酢とオリーブオイルをかけたシンプルなサラダです。ボローニャのカフェで「木の実のサラダ」として食べてはまってしまいました。それを日本で入手できる材料で自己流にアレンジしてみました。







およそ2人前

ルッコラ 数束
パンチェッタ(生ベーコン) 適量
クルミ 適量
アーモンド 適量
黒オリーブ 適量(グリーンオリーブでも可)
バルサミコ酢
オリーブオイル


作り方:
・ルッコラの根本を落とし、適度に切る
  葉を洗った後は、遠心力を使った水切りなどを使うと便利です。

・パンチェッタ、クルミ、アーモンド、オリーブなどを適当に盛り付ける
  パルミジャーノレッジャーノ(チーズ)の薄切りをのせても美味しいです。

・オリーブオイル、バルサミコ酢をかけて出来上がり。
  このサラダの場合、バルサミコ酢それほど高価なものでなくて十分においしいです。

難しいことは何もありません。でも癖のなるおいしさです。

2011年12月24日土曜日

菜花のオレキエッテ(レシピ)

イタリア南部では、チーマ・ディ・ラーパ(Cima di rapa)という野菜を食べます。カブの仲間(アブラナ科)なのですが、日本でいえば、菜花がとても似ているので、今回は菜花とナンプラーを使ったアレンジを紹介します。オレキエッテとは耳たぶ状のパスタでモチモチした食感が特徴です。手作りすることもできますが、乾燥品も売っています。白っぽい外観で厚めのものがオススメです。オレキエッテがなければ、普通のスパゲッティでも差し支えありません。







1~2人前(オレキエッテ100~120g)

菜花 1パック 適当に切る(多くて大丈夫です)
ニンニク 1片~半かけ 薄くスライス
ナンプラー 大さじ1杯(好みで調整)



作り方:

・鍋に塩入りの湯を入れ、オレキエッテを茹で始める
  乾燥のオレキエッテ(耳たぶ状のパスタ)は茹で時間が長めのものが多いです(10~15分)。

・途中で菜花を加える
  菜花はよく洗ってから入れてください。茎側を先に入れた方がよいです。現地ではかなり煮込むようですが、パスタを茹でる最後の4~5分、一緒に煮こめば十分です。

・フライパンにオリーブオイルを入れ、ニンニクを炒める。
  辛いのが好きならば、ここで種を抜いた唐辛子を入れてもおいしいです。

・適度にニンニクに火が通ったら、ナンプラーを加えて、適度に蒸発させる。
  ナンプラーの代わりに、アンチョビを使うのが標準的なレシピです。もちろんアンチョビで作るのも、とてもおいしいですが、ナンプラーを使うと缶を開ける手間もなく、とても簡単です。

・オレキエッテ+菜花のお湯を切り、フライパンに加えて、混ぜ合わせる。
  皿に盛れば完成です。



今回は、味付けにタイのナンプラー(魚醤)を使いました。イタリア料理にアジア食材であるナンプラーを使うなんて!?と思われるかもしれませんが、アンチョビを使ったのと非常に近い味わいに仕上げることができます。どちらもカタクチイワシ(アンチョビ)を塩漬けにして発酵させたものだからです。実は、イタリア南部でもコラトゥーラと呼ばれる魚醤が使われていて、ナンプラーとほぼ同様のものです(日本では非常に高価)。イタリア南部では古代ローマから魚醤(に近い調味料)が使われていて、コラトゥーラ(魚醤)を和えるシンプルなパスタもある位です。ちなみにかなり和テイストになるとは思いますが、アンチョビやナンプラーの代わりに醤油をつかってもいいと思います。


2011年12月11日日曜日

クリームチーズを使ったホタテのクリームパスタ(レシピ)

北イタリアをイメージしたパスタソースです。ホタテにはクリームソースがよく合います。「キノコとベーコンのパスタ」のレシピで、ベーコンの部分をホタテに置き換えればいいわけですが、賞味期限が短いこともあっていつも生クリームを買うのは大変です。そこで今回は長期保存できるクリームチーズ(個別包装)を使った代替レシピを紹介します。スペイン料理やフランス料理のレシピで、ホタテや魚介をレモン汁+クリームをあわせるレシピがあって、とてもおいしいのですが、今回のパスタソースも程よい酸味が効いて絶妙です。






2人前(パスタ100~120g)

ニンニク 1片~半かけ 薄くスライス
玉ねぎ 小・半分 薄くスライス
ホタテ貝柱(生) 4個 適度に分割する
クリームチーズ 約20g(個別包装のもの)
牛乳 少々
白ワイン 少々(あれば) 
パルミジャーノ・レッジャーノ 粉末 大さじ3~4杯
(ペコリーノをあわせてもよい)
胡椒 少々
パセリ 少々(あれば) みじん切り



作り方:

・フライパンで玉ねぎとニンニクを中火で炒める
  玉ねぎがしんなりと半透明になるまでになるまで炒めます。

・ホタテを加え軽く炒める
  玉ねぎやニンニクもそうですが、焦げ付かないように注意します。

・白ワインを少々加えて加熱してアルコールを飛ばす。

・クリームチーズを加え、よく溶かす。
  長期間保存ができるので、朝食用などとして個別包装になったものがオススメです。うちではスーパーで(特売)10個300円で売られているフランス産のものを使っています。

・牛乳を加えて軽くのばしながら5分ほど煮込む。
  後でチーズを加えるので、すこしサラサラとした印象になるまでのばしてしまって構いません。具材がなじむまで煮込みます。

・火を止め、粉末状にしたパルミジャーノチーズ、胡椒、(あれば)パセリのみじん切りを加えて混ぜ合わせる。
  なければ粉チーズでも代用できますが、ブロック状のパルミジャーノ(またはグラナパダーノ)をすりおろして使うのが、風味の点でオススメです。

・別茹でしたパスタと混ぜあわせて盛りつける。
  すぐに食べるのがオススメです。

キノコと炒め合わせてもおいしくいただけます。また、うちでは試したことはないですが、もちろんアサリやムール貝など他の魚介でもおいしくできるはずです。


キノコとベーコンのクリームソースパスタ(レシピ)

どちらかというと北イタリアをイメージしたパスタソースです。というか、日本でも定番のクリーム系パスタです。イタリア料理(らしきもの)を作り始めた頃から、自己流でアレンジしながら作り続けています。






2人前(パスタ100~120g)

ニンニク 1かけ~半分 薄くスライス(芯をとる)
玉ねぎ 小・半分 薄くスライス
キノコ各種 好きなだけ(あわせて1パック分強)
ベーコン 少々(20~50g程度)短冊切り
生クリーム 50ml(+α)
白ワイン 少々(あれば) 
パルミジャーノ・レッジャーノ 粉末 大さじ3~4杯
(ペコリーノをあわせてもよい)
胡椒 少々
パセリ 少々(あれば) みじん切り




作り方:

・フライパンで玉ねぎとニンニクを中火で炒める
  玉ねぎがしんなりと半透明になるまでになるまで炒めます。

・ベーコンを加え炒める
  玉ねぎやニンニクもそうですが、焦げ付かないように注意します。

・キノコを加え、しんなりとするまで炒め合わせる
  後で加えるチーズに多くの塩分が含まれるので塩は加えません。

・(もしあれば)白ワインを少々加えて加熱してアルコールを飛ばす。

・生クリームを加え、水気を飛ばしながら煮込む。
  気持ち粘性が出るまで煮込みます(5分くらい)。ソースらしくない!と慌てる必要はありません。後でチーズを加えるのでしっかりと粘性はでます。

・火を止め、粉末状にしたパルミジャーノチーズ、胡椒、(あれば)パセリのみじん切りを加えて混ぜ合わせる。
  なければ粉チーズでも代用できますが、ブロック状のパルミジャーノ(またはグラナパダーノ、ペコリーノ・ロマーノ)をすりおろして使うのが、圧倒的にオススメです。小さめのブロックならすぐに使い切れますし、(個人的な経験上)しっかり密封してパーシャル冷凍に入れておけばそうそう劣化しません。

・別茹でしたパスタと混ぜあわせて盛りつける。
  冷えると固まるので、すぐに食べるのがオススメです。

手軽においしくできるのでオススメです。写真はペンネを使いましたが、スパゲッティでもタリアテッレ(平打ち麺)でも、他のショートパスタでもどれもよく合います。こちらのレシピでは生クリームが必要ですが、さらに個別包装のクリームチーズを使った代替レシピも合わせて紹介します。こちらは酸味も出るので(ベーコンではなくて)ホタテと合わせるのがオススメです。


2011年12月10日土曜日

柚子が香る生牡蠣のマリネ(レシピ)

生牡蠣は地中海周辺でも広く食べられています。レモン汁やワインビネガーなどで軽くマリネすることもありますが、今回は日本の誇る柑橘、柚子を使ったアレンジを紹介します。Gatto e Topoが提案するJapanese Mediterraneanです。






2人前

生牡蠣 1パック(小)
玉ねぎ みじん切り大さじ1~2杯
小ねぎ みじん切り小さじ1杯
柚子皮 少々
マリネ液
 柚子果汁 1個分
 レモン汁 半分~1/3個分(ゆず果汁:レモン汁=1:1程度で)
 オリーブオイル 小さじ~大さじ1杯(好みで) 
 塩 少々



作り方:

・生牡蠣を流水で洗う。
  マリネするとはいえ新鮮なものを使ってください(*)。

・生牡蠣、玉ねぎ、小ねぎ、柚子皮をマリネ液に合わせ、ガラスの器で混ぜ、ラップして1時間ほど冷蔵庫で寝かせたら完成です。
  生が良ければ、マリネ液にあわせて数分で、そのままいただけます。

柚子の果汁だけでは酸味が足りないので、レモン汁と合わせます。柚子の香りと爽やかな酸味がポイントです。


(*)生牡蠣の食中毒について
カキの生食で心配なのは、なんといっても食中毒で、A型肝炎、ノロウィルス、腸炎ビブリオ、大腸菌などが原因になります。いずれも健康な大人ならば致命的なものではありませんが、免疫力が低下している場合は深刻な症状をきたすことがあります。近年問題になっているのはノロウィルスで、生活排水に含まれるウィルスがカキの体に濃縮されることで食中毒(感染)を引き起こします。お店で売られている生食用のカキは、生活排水の影響が少ない清浄海域で養殖され、一定期間、清浄な海水中で飼育されているなど一定の基準を満たしているようです。とはいえ、対策は完全ではありませんので、マリネを含めて生牡蠣を食べるときは、健康状態などを考えて、自身の責任で調理してください。



2011年10月10日月曜日

青背の魚のマリネ(レシピ)

新鮮なイワシを使ったマリネは地中海の定番で、スペイン、イタリア、ギリシャと広範囲に食べられています。ここで紹介するのは極めて一般的なレシピですが、塩漬けの仕方(時間)、ビネガーの比率など試行錯誤を加えた結果を紹介します。現地ではイワシが基本ですが、アジや秋刀魚など青背の魚を使って色々試して見ました(写真はマイワシのマリネ)。







2~4人前

青背の魚・刺身用(イワシ類、サンマ、アジなど) 2匹~4匹
ニンニク 半かけ~1かけ
イタリアンパセリ(オレガノでも可)みじん切り大さじ1杯
塩 大量
白ワインビネガー (魚の身が浸るくらい)
レモン汁 (白ワインビネガー:レモン汁=2:1程度で)
オリーブオイル 



作り方:

・魚を三枚におろし、皮を剥ぐ
  イワシ類は身が柔らかいので楽ですが、気を抜きすぎて身を壊さないように注意が必要です。必ず皮を剥ぎ(意外と楽です)、腹身の骨と膜は削ぎ落してください。なおサンマは身が細長いので3枚に下ろした後、身を半分にするとちょうどいい感じです。1匹でマイワシなどの2匹分になります。

・魚の身を洗い、キッチンペーパーで水気をとる
  加熱しないで食べるものなので、扱いには気をつけてください(内臓類に触れないよう)。夏場はバットに氷入れたうえでここまでの操作をしています。

・魚の身に沢山の塩をすり込む、冷蔵庫で約10分
  どうせ後で洗い流す上に、マリネ液に浸すので、塩気は抜けます。身を締めるために驚くほど沢山の塩をすり込んでしまうのがポイントです(下記コラム参照)。

・塩を洗い流す。魚の身をガラス(または陶器製)のバットに並べる
  魚の身が締まって美味しそうになっていると思います。塩の粒をしっかりと洗い流さないと、塩辛くなってしまうので注意してください。すぐにマリネ液に浸すので水を拭き取る必要はありません。このあとビネガーやレモン汁を使うので、かならずガラス製か陶器を使ってください。

・「白ワインビネガー:レモン汁」が2:1位(適当で構いません)の割合でかける。魚の身がちょうど浸るくらいにするのが適正です。
一晩以上浸け込む場合には、さらに1/3量位の水を加えてください(すぐ食べる場合でも酸っぱいのが苦手な人は適宜調整してください)。シェリービネガーやリンゴ酢でも美味しくできることを確認済みです。レモン汁は必須ではありませんが、さわやかな味になっておいしいです(うちでは瓶詰めの瀬戸内レモンを使用)。

・刻んだニンニク、パセリを散らす。ラップして冷蔵に入れる。
  イタリアンパセリでも普通のパセリでもどちらでも大丈夫です。パセリは必須ではなく、オレガノなどでもOKですし省略しても構いません(ニンニクも)。「スペインの熱い食卓」(文化出版局、1995)によれば、ニンニク&イタリアンパセリの組み合わせはスペイン風らしいです。

・刺身のような食感を楽しむ場合は、30~1時間つければ食べられます。しっかりと漬けたい場合は一晩以上冷蔵庫においてください。
 アジやトビウオは半生の状態で刺身のような食感を楽しむのがオススメです。イワシ類は一晩以上つけるのがお勧めで非常においしいです。サンマはどちらもOK。
 
・魚の皮側が上になるように皿に盛って、オリーブオイルをかければ完成です。
  そのままいただくので、おいしいオリーブオイルがオススメです。



青背の魚には、エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸などの不飽和脂肪酸が多く含まれていて、成人病予防など健康にいいと言われています。しかし、これらの不飽和脂肪酸、とても酸化しやすいのが欠点で、青背の魚が苦手な人の多くは、これらの脂が劣化した時の匂いが特にダメなのだと思います。マリネにすれば、青背の魚が苦手な人でも美味しくいただけると思いますが、できるだけ新鮮な魚を使うようにしてください(トビウオ、アジは青背の魚らしい香りは少なめです)。


バリエーション:
マイワシ、カタクチイワシ(セグロイワシ、シコイワシとも呼ぶ)、ウルメイワシ、アジ、サンマ、トビウオで作ったことがありますが、どれもおいしいです。魚によって適正な漬け時間が変わります。短い漬け時間(30~1時間程度)だと中の方は刺身のような食感が楽しめます。この場合は、アジ、トビウオが特にオススメです。ちなみに刺身用のトビウオはなかなか入手できませんがよく締まった身の食感が絶品です。

こちらはセグロイワシ、小さいのですぐに漬かりますが、とてもおいしいです。刺身用はなかなか出まわりませんが、あればオススメ。



こちらはサンマ、味も良く、1匹で4切れくらいにできるのでお得です(笑)。



アジのマリネです。身の厚いアジを選べば、外はマリネ、中は刺身という食感が楽しめます。青背の魚らしい香りが苦手な人にもオススメです。




寄生虫症のリスクと回避:
残念なことに青背の魚には、アニサキスという寄生虫がいることがあります。生食をするとまれに感染することがあって数日間腹痛に苦しむ可能性があります(場合によっては内視鏡検査が必要になることがありますが、アニサキス症自体は命に関わるような病気ではありません!)。アニサキスは魚の消化管にいるのですが、魚が劣化してくると身へと移ってしまいます。酢でしめた位では死滅しないといわているので、普通にマリネしただけではアニサキスのリスクはゼロにはできません。しかし、ナメクジなどと同じく虫体は浸透圧の変化には弱いと考えられるので、塩で締めればそのリスクは大幅に減らせると考えています。絶対に大丈夫と保証はできませんが、しっかりと塩漬け+強めの酢で締める、という操作をしていれば、まず大丈夫だと思います。ちなみに、gatto e topoは2年以上の間、青背の魚を自分でさばいて、マリネや刺身にしていただいていて、何度かそれらしき虫体を目撃したこともありますが、今のところアニサキス症になったことはありません。しかも、アニサキス症は、エキノコックス症などと違って命に関わるような病気ではありませんので、稀に起こりうるリスクの1つとして考えています(ちなみに一旦冷凍すれば寄生虫は完全に死滅しますので、どうしても心配な方は解凍品を使ってください)。

2011年8月14日日曜日

水切りヨーグルト(レシピ)

ギリシャ料理やトルコ料理では、甘くない料理にヨーグルトを料理に使います。例えば、ヨーグルトにキュウリ(角切り、千切りなど)を加えたジャジキは代表的ですし、アダナケパブ(トルコ風のつくね)にもヨーグルトを加えます。そんな時、市販のヨーグルトではいささか水分が多く、水っぽくなってしまうことがあります。

そんな時は水切りヨーグルトを作ると便利です。

方法はいたって簡単、ザルにキッチンペーパーを乗せて、30分程度おいておくだけでOKです。もちろんザルの下には乳清がたまりますからボウルなどで受け止めてください。あえてコツをいえば、キッチンペーパーの下は目の荒いザルを使うべき、ということ位で、そうでないと水がたまりがちになってしまいます。



もちろん、料理によっては、市販のヨーグルトをそのままつかっても大丈夫なのですが、水切りヨーグルトにするとコクが増します。「水切りヨーグルト」自体は随所で紹介されていますが、クリームチーズのような食感になってとてもおいしいです。

ジャジキ:
キュウリとヨーグルトのサラダです。パック半分位のヨーグルトにキュウリ1本を合わせ、少量のニンニク(細かいみじん切り)、ミント(乾燥でもOK)、ごく少量の白ワインビネガーを加えれば完成です。さっぱりしていてディップとしてもおいしいです。



なお、水切りの操作は放射能が気になる方にもオススメです。現在問題になっている放射性セシウムは、水溶性であるため、水切りの操作をすることで、ヨーグルト本体からある程度取り除くことができます。仮に放射性セシウムが含まれていたら、乳清部分(下にたまった水)にたまることになります。チェルノブイリの時も、乳清と脂肪分の分離が薦められたようです。ただし、現時点では、市販のヨーグルトは、(モニタリングされているようなので)ほとんど心配いらないと思います


2011年8月7日日曜日

簡単塩鱈の作り方(レシピ)

地中海料理で頻繁に登場するのが塩鱈(干しダラ)です。バッカラ(Baccalà, イタリア)、バラカオ(Bacalao, スペイン)、バカリャウ(Bacalhau, ポルトガル)等と呼ばれ、フリットから煮込みまで様々な料理に使われています。特にポルトガルは多種多様な塩鱈料理があります。
欧州の干しダラ(塩ダラ)は、塩漬けにされた厚い身の塩漬けであるのに対して、日本で売られている干しダラ、身が薄く、何度か試してみましたが、今ひとつ異なる味になってしまうようです。むしろ生ダラで作ったほうがおいしくできる印象があるのですが、味がおとなしい上に、冷凍して保管するとタラの身がポソポソになってしまい今ひとつでした。試行錯誤の末で「なんちゃって」な方法で塩鱈をつくるとより美味しくなる上に、冷凍保存した時も劣化なしに楽しめることがわかったので紹介します。


・生ダラの切り身を用意する。

  スーパーで買ってきた典型的な生ダラのパックです。皮はついていてもいなくても構いません。




・多めの塩をまぶして、冷蔵庫で数時間(~一晩)保管する。

  写真は極端ですが(笑)、多めの塩をまぶしておきます。




・出た汁気を捨て、水洗いする。

  塩水をよく洗い流しておくとよいです。写真は洗った後の様子です。こんな感じに身が締まり、半透明な感じになります。ちなみに塩を落とさずに冷凍したら、恐ろしいほど塩辛い物体へと変化してしまいました。




・(冷凍する場合)ビニール袋のパックに入れて冷凍保存する

  1ヶ月位は大丈夫だと思います。




使うときはかならず数時間以上水につけて塩抜きをしてください。でないと、恐ろしく塩辛いです。場合によっては塩抜き後、茹でこぼしをしてもよいです。一見すると面倒な操作ですが、塩漬けにすると、旨味が引き出されて美味しくなる上に、高い塩分濃度のおかげで凝固点降下がおこり氷晶ができにくくなります(味噌が凍らないのと同じ)。このために身がボロボロにならずにしっとりとした食感が楽しめるのです。とてもオススメです(はじめから甘塩鱈のパックを買うという手もありますが…)。


塩鱈を使ったレシピはポルトガル料理が充実していますが、タラのコロッケやグラタンがおいしいです。

タラのコロッケ



タラのグラタン



トマト煮込みなどスペインやイタリア、ギリシャにも塩鱈を使った様々な料理があります。


<補足>
福島原発の事故による魚介類の放射能汚染が心配されています。海産物に関して言えば、原発周辺以外では問題のある値は出ていないようですが、気になる方には、今回のような「塩漬け→塩抜き」(+茹でこぼし)の操作がオススメです。放射性セシウムは、体内にある電解質カリウムと似た性質があるため、「塩漬け→塩抜き」によって多くを取り除くことができるためです。ただし、塩抜きをしっかりとし、塩分のとりすぎにはくれぐれも気をつけてください。健康に良いとされる味噌・醤油も含めて、塩分のとりすぎは、高血圧や胃がん等の原因となることがわかっているためです。塩鱈は塩抜きしても適度な塩分を含んでいますから、調理の際に塩を加えないようにするといいと思います。うちでは北海道・青森・岩手で水揚げされたマダラを使っていますが、下記の調査結果の通り、原発周辺の海域以外では放射性セシウムはほとんど検出されていません(多くても、健康に全く問題ないと考えられる数Bq/Kg程度)。うちでの「なんちゃって」塩鱈製作の目的は、味の為です。

水産庁・水産物の放射性物質の調査結果について(8月4日更新)
http://www.jfa.maff.go.jp/j/kakou/Q_A/pdf/110804_kekka_jp.pdf

2011年7月31日日曜日

ジェノベーゼ(レシピ)

ジェノベーゼとはジェノバ風の意味で、簡単イタリアンの代表格です。バジルと木の実・チーズ・ニンニクからなるペーストで、きわめてスタンダードなレシピですが、手早く作れてとてもおいしいので紹介します。なお、ナポリのジェノバ風パスタは玉ねぎが中心のパスタソースで、まったく異なるものらしいです。






1~2人前(スパゲッティ100~120g)

バジル 1パック
ニンニク 1かけ(芯は抜く)
パルミジャーノレッジャーノ(チーズ) 20g程度(適当に角切り)
松の実 5~10g程度(適量)
オリーブオイル




作り方:
・バジルは洗い、キッチンペーパーで拭きとる。
  茎の部分もおいしく食べられます。
・松の実を炒る
身の細長いスペイン産がおすすめです。なければクルミでもOK。
・バジル、松の実、ニンニク、パルミジャーノチーズをフードプロセッサにかける
  もちろんミキサーでも大丈夫です。
・オリーブオイルを混ぜる
  チーズの塩分があるので塩を足す必要はほとんどないですが、必要あれば塩で調味する。
・茹でたパスタと和えるだけで完成です。
  バジルの葉を飾るのも楽しいです。

パルミジャーノチーズは粉タイプよりも、ブロックタイプの方が風味の面から圧倒的におすすめです。本来的には長時間熟成させるものなので、普通の冷蔵庫でも外側だけ少し削れば十分大丈夫だとは思いますし、ブロックごと冷凍ないしはパーシャル冷凍しておけばしばらく問題なさそうです。うちではブロック状のパルミジャーノチーズをパーシャル冷凍しておいて、使うときに切り出したり、削ったりしています。

バリエーション:
バリエーションというよりは、より現地流の本格的なものとなりますが、パスタを茹でるときに、インゲンや皮をむいたジャガイモを一緒に茹で、一緒にペーストに和えるととてもおいしいです。野菜も一緒に食べられるのでオススメです。

2011年7月10日日曜日

白魚のオイル煮(レシピ)

スペインの定番タパス、ニンニク・唐辛子風味のオリーブオイル煮です。至ってシンプルで、基本に忠実なレシピです。現地では、ウナギの稚魚が珍重されていますが、絶滅が心配されるほど数が減っているので(特にヨーロッパウナギ)、最近は細切りの魚肉加工製品(蒲鉾のようなもの)で代用されることが多いようです。今回は白魚を使ったレシピを紹介します。







1~2人前

オリーブオイル
ニンニク 1かけ
唐辛子 1本(島唐辛子がオススメ)
白魚 半パック~1パック(適量)




作り方:
・唐辛子の種をとり、ニンニクはスライスしておく。
  唐辛子は乾燥したものを冷凍庫で保管しておくと便利です(*)。

・フライパン(小)にオリーブオイルを入れ、唐辛子、ニンニクを炒め香りを出す。
  「オイル煮」なので少し多めがいいですが、好みで調整します。唐辛子、ニンニクは焦がしてはいけません。

・白魚を入れて炒め、塩で味を整える。
この通り、いたってシンプルです。速やかに食べたほうがおいしいです。カスエラ(小さな土鍋)を使うと、そのまま食卓へ持って行けて便利です(上写真)。カスエラはスペイン食器の雑貨屋や輸入食材スーパーの雑貨コーナーで買いました。

バリエーション:
生しらす、ノレソレ(アナゴの稚魚)で作ってもおいしいです。

生しらすの場合、身が崩れやすいので、ごく軽く炒めるようにした方がいいです。見栄えは白魚で作ったときのほうがよいですが、味は負けていません。



ノレソレは、アナゴ(ウナギ目)の稚魚ということで、よりウナギの稚魚に近いと思いますが、コラーゲンが多めな感じの独特な食感です。


茄子のプッタネスカ(レシピ)

南イタリア料理のお手軽トマトソースパスタです。「Spaghetti alla Puttanesca」つまり「娼婦のスパゲッティ」と言われていますが、なぜ「娼婦」なのかは定かでないようです。とにかくアンチョビ、ケーパー、オリーブなど地中海料理の基本食材があれば手軽につくることができるのが特徴です。







1~2人前(スパゲッティ100~120g)

オリーブオイル
ニンニク 1かけ
唐辛子 1本(島唐辛子がオススメ)
茄子 1本
アンチョビフィレ 1枚
黒オリーブ
ケーパー 少々
トマトの水煮缶



作り方:
・唐辛子の種をとり、ニンニクはスライスしておく。
  唐辛子は乾燥したものを冷凍庫で保管しておくと便利です(*)。

・フライパンにオリーブオイルを入れ、唐辛子、ニンニクを炒める(数分)。
  加熱前から入れてOKです。むしろ焦がさないように注意!

・角切りにした茄子を入れてさらに炒める。

・軽く刻んだアンチョビフィレを入れてさらに炒める。
  アンチョビはソース状になるようにします。

・トマトの水煮缶を加え、トマトをつぶしながら煮込む。
  トマトソースの肝であるトマトの水煮缶ですが、個人的にはホール(トマト全体が入っている)のものが好みです。なお、生のトマトを加えてもおいしいです。

・ほぼ同時に黒オリーブ、軽く刻んだケーパーを加える。
  これらの食材は多くの塩分をふくんでいるので、ソースに塩を足す必要はまずありません。ケーパーは酢漬けではなく塩漬けがおすすめです。

・少し煮込み、お湯をきったスパゲッティを和える。
  もちろんペンネなどのショートパスタとの組み合わせもおいしいです。


バリエーション
ナス入りアラビアータ:
「手軽につくることができる」とはいえ、日本ではアンチョビ、ケーパー、オリーブなどの食材を常備している家庭は多くないと思います。でも大丈夫、アンチョビ、ケーパー、オリーブを抜いてつくってもパスタソースとしておいしいです。要するに、炒めた茄子の入った唐辛子入りのトマトソースということですから、アラビアータ(Spaghetti all'Arrabbiata)のナス入りといったイメージです。

いろいろなバージョン:
アンチョビの代わりに、パンチェッタ(生ベーコン)を入れてもおいしいです。もちろん普通のベーコンで作っても大丈夫です。野菜の方も適宜いろいろなものを加えることはできます。個人的にキノコ自体は大好きなのですが、正統派プッタネスカ(アンチョビ入)に限ってはキノコとの相性は良くないかもしれません。キノコ(ブナシメジ)の香りが鼻について微妙でした。いろいろ試してみてください。

カプレーゼ(レシピ)

南イタリア料理の定番、バジル、モッツァレラチーズ、トマトのシンプルなサラダです。緑、白、赤の組み合わせがイタリア国旗そのものなので、現地でもポピュラーなサラダです。レシピといっても、基本に忠実に並べてオリーブオイルをかけただけの簡単メニューです。







およそ2人前

モッツァレラ 半塊(50g程度)
バジル 数枝
トマト 1個
オリーブオイル



作り方:
・モッツァレラ、トマトを厚さ1cm程度にスライスする。
  モッツァレラは塊(1パック1つ)のものがおすすめです。モッツァレラ用の専用カッターも売っているようですが、うちではゆで卵カッターを使ってモッツァレラをスライスにしています。

・バジル、モッツァレラ、トマトを交互に重ねながら並べていく。
  余ったバジルの葉や、芽の部分を周囲に飾ると少しおしゃれな感じになります。

・オリーブオイルをかけて出来上がり。
  生で食べるのでおいしいオリーブオイルを使うのがおすすめです。

難しいことは何もありません。でもさっぱりしていてとてもおいしいです。

(*)モッツァレラは、国産の1パック200-300円程度のもので十分においしいです。イタリアの水牛乳製(Mozzarella di Bufala Campana DOP)は、少々高価ですが濃厚なミルク感が格別です。ただし水牛乳製の場合、柔らかくてジューシーなのでゆで卵カッターでスライスすることは困難です。その場合、包丁などで丁寧にスライスします。

アクアパッツァ(レシピ)

南イタリアの定番、魚の煮込みです。貝類やハーブ類、オリーブオイル、ケーパーなどを入れることが多いようですが、シンプルに作っても美味しい事がわかったのでそちらのレシピを紹介します。そんなにオリジナリティはないのですが、プチトマトに加えてドライトマトを入れてシンプルに煮込むのがポイントで、それだけで味に深みが出ます。







1~2人前(スパゲッティ80~100g)

白身魚(タイ、黒ソイ、イサキ、イシモチ、ホウボウなど) 1匹
ニンニク 1かけ
イタリアンパセリ
ドライトマト 3~4枚
プチトマト 3~4個(省略可)

オリーブオイル



作り方:
・魚はウロコを落とし、内臓・エラなども処理する。
  うろこ取りを買ったら劇的に楽になりました。もちろん魚屋で下処理をしてもらうのでOKです。

・フライパンにオリーブオイルを引き、芽を取りスライスにしたニンニクを炒める
  厚めにスライスし、焦げるまでやらないのがポイントです。

・魚を入れ、両面を軽く焼く
  あまり激しくやると皮が剥けたり、尾びれがとれたりします。

・水を加え、プチトマト(そのまま)とドライトマトも加える。
  ドライトマト(2~4等分に切っておく)を入れるのがポイントです!塩味が強い場合、軽く水洗いした方が良いです。プチトマト(省略可)はそのまま入れます。切って入れると汁が濁りがちになります。

・蓋をして魚に火が通るまで煮る
仕上げに塩で味を調整する。

・別茹でしたショートパスタと合わせる
  この辺りは「イタリア地方料理の探求」で紹介されていた「ホウボウのアクアパッツァ」(カンパーニャ州)を参考にしています。大きめのショートパスタが見栄えがよいです。

・スライドさせるように皿に移し、パセリを添える。